◆ドイツ語の1単語はとてつもなく長い~!なぜ、ドイツ語の単語は長くなるのか?◆
今回はとっても、長いドイツ語の単語をご紹介します!ドイツ語では、日本語ではとても考えられないくらい長い単語がたくさん存在しています。これらのドイツ語の単語を知ってるだけでもドイツ語ネイティブの人にかなりビックリされるはずです!(おお、そんなことも知っているのだね!という反応をもらえるはずです!)ぜひ、知識としていくつか覚えてみてください!(今後のドイツ語学習が楽しくなるはずです!)
ドイツ語がなぜ長くなるのか?それには、ドイツ語がもつ特有の特徴が関わってきます。その、ドイツ語の特徴などもあわせてご紹介いたします。通常のドイツ語を学習するうえでもこの特徴を知っていると、参考になると思います。
◆マーク·トウェインもドイツ語の長さについて言及◆
『トム·ソーヤの冒険』などで有名なアメリカの作家マーク·トウェインもエッセイでドイツ語の単語の長さについて記しています。
マーク·トウェイン曰く、『こんな長い単語は遠近感を感じられて、アルファベットが行進する音楽が聞こえる』と語っています。(発音はかっこいい!)
(マーク・トウェインのA Tramp Abroad(邦訳「ヨーロッパ放浪記」)という旅行記の補遺にある The Awful German Language(邦訳「ひどいドイツ語」)という文章に、ドイツ語を学ぶことのむずかしさが表現されています。))
◆長い長いドイツ語~15選 ~長いドイツ語の有名単語をご紹介!
長いドイツ語を紹介するさいによく出される、代表的な15の単語を以下紹介します。ドイツ語表記、発音、日本語をそれぞれ記載しますので、ぜひ声に出して発音してみてください!声に出して読むことで、長さもより実感できると思います!(発音語、意味を確認すると、この長さでこの意味か~!?と驚くかもしれません^^)
1:「Freundschaftsbeziehungen (フロインドシャフトべツィーウンゲン)」
日本語:友情関係、友情のしるし
発音してみると、さらにかっこよく感じられる単語ですね!
スムーズにサラッと発音できるとなお、カッコよいです!
Freundschafts =友情
Beziehungen = 関係
という2単語がひとつにまとまったものですね。
単語の作り方は日本語の熟語の感覚と同じです。
2:「Streichholzschächtelchen(シュトレイヒホルツシェッツェルヒェン)」
日本語:マッチ箱
なんでこんなに長くなるんだ!?と思ってしまうことでしょう。
こちらも複数の単語がまとまって単語を形成しています。
「Streichholz」はマッチを意味し、
「schächtelchen」は小さい箱を意味します。
つまりは、「マッチ」と「小さい箱」をくっつけたという単語なのですが、ドイツ語で表現するとこんなに長くなってしましますのです。
ちなみに『マッチ箱1つください』はドイツ語ではこう表現します↓
Bitte gib mir eine Streichholzschachtel.
とても長いですね!(^^;
3:「Kinderbewahrungsanstalten(キンダーべワールングスアンスタルテン)」
日本語:児童保護施設
「kinder(キンダー)」は子供を意味する単語。
「bewahrung」··保護観察
「anstalten」···機関
1単語のなかに3つの意味の単語がありそれがまとまって、Kinderbewahrungsanstalten(キンダーべワールングスアンスタルテン)」→「児童保護施設」という意味の単語ができあがります!
4:「Kraftfahrzeug-Haftpflichtversicherung 」
(クラフトファーツォイグハフトフリフトフェアズィッシャールング)
日本語:自動車損害賠償責任保険
日本語だと「自賠責」だなんて略すこともできて便利ですが、ドイツ語ではそのように短縮することにはなりません。きちんと「クラフトファーツォイグハフトフリフトフェアズィッシャールング」と言わないと通じません。日本語の短縮ってとても便利なものですね。
5:「Arbeiterunfallverischerungsgesetz (アーバイターウンファルフェアズィッシャールングゲゼッツ)」
日本語:労働者災害補償法
思わず「日本語って意外に短いのだな···。」と思わされる単語ですね。
6:「Die Geschwindigkeitsüberschreitung 」
(ゲシュヴィンディッヒカイツユーバーシュライトゥング)
日本語:スピード違反
7:「Unabhängigkeitserklärungen(ウンアブハンギッグカイトエアクレールンゲン)」
日本語:独立宣言
こうやって並べるとあらためて日本語のシンプルさは実感できる文例ですね。
8:「Nahrungsmittelunverträglichkeit (ネールングスミッテルウンフェアトゥレーグリッヒカイト)」
日本語:食物不耐性
「Nahrungsmittel」は食物を意味するドイツ語の単語です。
9:「Waffenstillstandsunterhandlungen(ワッフェンシュティルシュタンズウンターハンドゥルンゲン)」
日本語:停戦交渉
これは発音もとても難しいです!これがスムーズに言えるようになったらとても、かっこいいですね!!
10:「Generalstaatsverordnetenversammlungen(ゲネラルシュターツフェアオードゥネテンフェアザムルンゲン)」
日本語:州議会の総会
こちらの単語も改めて日本語ってシンプルなんだ!と思ってしまいます!
11:「Rechtsschutzversicherungsgesellschaften (レヒトシュッツフェアジッヒャールングスゲゼルシャルテン)」
日本語:法定費用保険会社
とにかく、保険に関する単語は長いものが多いという特徴があるようですね!!
12:「Betäubungsmittelverschreibungsverordnung(ベテウブングスミッテルフェアシュライブングスフェアオードゥヌング)」
日本語:薬物常用法
これは発音もとても難しいですね。
通常違法とされている薬物の処方に関する法令を意味するドイツ語です。
13:「Grundstücksverkehrsgenehmigungszuständigkeitsübertragungsverordnung(グルンドシュトゥックスフェアケアースゲネーミグングスツーシュテェンディッヒカイツユーバートラーグングスフェアオールドゥヌング)」
日本語:不動産取引許認可権限委託規則
もうここまで来ると訳自体もよくわかりませんね!長すぎです(^^;
14:「Rindfleischetikettierungsüberwachungsaufgabenübertragungsgesetz(リンドフライシュエティケッティエルングスウーバーワッフングスアウフガーベンウーバートラーグングゲゼッツ))
日本語:牛肉ラベル付け監視業務委託法
これは北東部のメクレンブルク·フォアポンメルン州の法律名です。
BSE(牛海綿状脳症)対策として2000年4月に制定されたそうですが、規定改正で不要となったのに伴い廃止されたということです。
ドイツ語で一番長い単語と言われているもの···(ドイツの単語は長いという話題の時によく紹介される一例です)
こちらです。↓
15:「Donaudampfschiffahrtselektrizitätenhauptbetriebswerkbauunterbeamtengesellschaft(ドナウダンプフシッフファールツエレクトリジテーテンハウプトベトリーブスヴェルクバウウンターベアムテンゲゼルシャフト)」
日本語:ドナウ汽船電気事業本工場工事部門下級官吏組合
おそらく現存のドイツ語単語で一番長いのがこちらです。なんと79文字もあります!
79文字のドイツ語からなるこの単語はドイツ語の出版物に掲載された単語として、最長の単語として、1996年のギネスブックに紹介されました!)意味は··ドナウ汽船電気事業本工場工事部門下級官吏組合) (おそらく、日常会話では絶対使わない単語ですが···)
の、
Donaudampfschiffahrt
の部分だけでも、
→donau(ドナウ)、dampf(蒸気)、schiff(船)、fahrt(輸送)から成り立っています。
■ドイツ語はなぜこんなに長いのか
長いドイツ語単語の例を15個挙げて紹介してきました。どうしてドイツ語の単語は長くなるのでしょうか??それは、ドイツ語特有の『造語力』に由来します。2つ以上の単語を組み合わせて1つの単語を形作るという特徴をドイツ語は持っています。造語力によって完成された名詞を複合名詞と呼びます。日本語で漢字を並べて長い固有名詞ができあるのと同じ異イメージです。
例えば、2つめの例に挙げた『マッチ箱』を意味する
2:Streichholzschachtel.
だと、
この単語には3つの要素から成り立っています。
Der Streich ···攻撃、打撃
Das Holz···木材
Die Schachtel··箱 ボックス
上記の3つの要素から、マッチ箱という意味になっています。
■ドイツ語を学ぶにあたって
この複合名詞はドイツ語を学ぶにあたってとても重要な要素となります。日常のあちらこちらに溢れています。ドイツ語を学ぶにあたっては複雑な文法や規則など、なかなか学ぶのが大変だという方も多いかと思います。
この複合語もその一つ。ドイツ語の造語力によって、辞書に載っていない単語もたくさん存在します。初学者が学ぶ教科書に記載がある単語でも辞書に載っていないこともざらに存在するとのこと!(教科書に載っている文字が辞書にないなんて、普通考えられないですが、そういうものだという感覚も最初に学ぶ要素ということかもしれないですね····。)
ただ、この複合名詞も単語を分解して意味をとらえる癖をつけると、初めて出会った単語の意味も類推することができ、部分に分けて、それぞれの箇所の意味を確認することで全体の意味の理解は可能です。(ドイツ語学習の重要な訓練の一つですね!!)
クラウン独和辞典第4版で一番長い見出し語は、
冒頭の6つめの例でもあげた以下の単語です。
Die Geschwindigkeitsüberschreitung (ゲシュヴィンディッヒカイツユーバーシュライトゥング)
日本語:スピード違反
日本語にすると短いフレーズですが、これも分解してみると2つの意味をもつ要素からなる単語です···。
Die Geschwindigkeit···スピード·速度
+
Die Überschritung···オーバーラン ·踏切
上記の二つの意味からスピードが超過している状況
→スピード違反という単語の意味となります。
日本語などは漢字が意味を持つ言語になるので、このような複合語という概念はあまり馴染みがないかもしれませんが、初見の漢字なども大体の意味を捉えることができるという意味では感覚は同じかもしれません。
英語も初めてみる単語も同じように要素分解して意味を捉えることができますよね。
ドイツ語はよりその特徴·要素が強く、言葉を分解することで、意味を捉える作業が学習の醍醐味となります。この感覚をしっかり掴めるとドイツ語の学習もとても楽しくなりそうです!(長い単語に出会ったときもいくつかの要素に分けれれないかを検討して、辞書を引いてみる癖をつけると語彙力もあがり、習得する単語量も劇的に増えることでしょう。
◆ドイツ語の造語力は新しい単語で使われることが多い◆
ドイツ語の持つ造語能力によって完成された単語は、新しい法律や制度名·新技術などに使われれることがとても多いです。つまりは、日常生活で遭遇する機会も多いということを意味します。日常生活で新聞や、テレビのニュース、アプリなどで出会ってしまう確率がとても高いことでしょう。
やっかいなことにこの様な新しい単語=複合語というものは、辞書に載っていることが少ないという特徴もあります。では、どうやって意味を調べればいいのでしょうか?
単語例でも紹介したように答えは単語を意味の要素で分解すること!複合語っていうのは、単語と単語が組み合わさってできていると先ほど説明をしました。単語と単語の部分に分けて、それぞれの部分の意味を確認!そうすれば、全体の意味がわかるという仕組みとなっています。(この意味の区切りがどこなのかというのも、ドイツ語学習をすすめていくうえでの重要なコツの一つです!)
◆複合語は、ドイツ語を学ぶにあたってとても重要なポイント◆
ドイツ語というものは、英語と違って不可思議な規則で、文法や単語も難しい上に、日常的ンにこれまで紹介してきたような一単語が長い複合語が数多く存在して、日常のあちこちに溢れかえっています。 ただ、学習をすすめるにあたって意味で複数の『単語を分ける』という作業ができるようになったら、複合語も何の問題もなく対応できると思います。
ドイツ語の長い単語に遭遇しても慌てず、単語を分けるという作業を行って、冷静に見てみれば、長い単語も怖くなく、このひとつひとつの作業がドイツ上達にもつながっていきます。
◆ドイツ語では、複数の単語を繋げて新しい単語を作ることができる。
複数の単語をつなげて新しい単語を作るという特徴はドイツ語と英語の大きな違いのひとつといえます。日本語も熟語のように複数の単語を組み合わせて新しい単語を作ることができるので、この点において、日本語は英語よりもドイツ語に近いと言えるでしょう。(日本語の熟語を読み解く感覚を活用するとドイツ語の複合語を読み解くこともそれほど難しいモノではないでしょう。なお、ドイツ語では複数の名詞を組み合わせるだけでなく、形容詞と名詞などといった異なる品詞間でも合成できるという特徴もあります。
造語の作りやすさはドイツ語の大きな長所のひとつであり、厳格なドイツ語においては数少ない「遊べる」部分といえます。ぜひ身につけておきましょう!
◆複合語のルールなど◆
1:ドイツ語の複合語においては単語を意味で分解した際に一番右側に来る単語を基礎語と呼び、複合語の性は基礎語の性を引き継ぎます。
2:ドイツ語では、名詞や形容詞など異なる品詞間で複合語を作ることもあり。
3:単語を組み合わせる際にsを挟むなどの変化を伴うこともありますが、これらについての法則性は無いのでひとつひとつ、覚えなければいけない。
◆まとめ~ドイツ語の特徴点など◆
ドイツ語は造語能力が豊富であると言われており、とても長い複合名詞に出会うことがよくあります。日本語でも、漢語を並べて長い固有名詞を作ることがあるので、似ている点も多いかと思います。
今後、新しい法律や制度、そして新技術などが発表されるたびに、ドイツ語においてはとても長い複合名詞に出会うも機会も多くなると思います。その際にドイツ語を日本語に翻訳をするときには、そういった新語の意味をどうやって解釈するか置き換えるのか、苦労することになります。
しかし、ニュースや新聞などで、そのような専門分野の新語が出てきたときは、生きたドイツ語を学ぶ、習得するいい機会ととらえ、長い単語を意味で区切ってひとつひとつ丁寧に解釈して、翻訳することで語彙力アップにつながります。しっかりノートなどに記録してメモしておきましょう。(辞書とにらめっこしながら、意味を掘り下げていく作業がドイツ語学習の大きな醍醐味ですよね。)
◆ドイツ語を学ぼう◆
ドイツ語は元々言語圏としても同じゲルマン語派という共通点やドイツ語由来の単語が英語には存在するように、比較的近い言語と言われています。男性・中性・女性名詞の区別や複雑な人称変化など文法的には難しいイメージがあるドイツ語ですが、発音や会話、単語の綴りなど日常生活における『言語』という点においては英語に近く、マスターしやすい言語の一つと言えます。
そういった意味では英語をある程度話せる人が、ドイツ留学をすると比較的スムーズにドイツ語をマスターでき、使える言語が増やせるというメリットがあります。(バイリンガル→トリリンガルへ!)
ドイツ国内において英語でさまざまなことを学ぶとことも可能ですし、ドイツ語を日常生活の中で学ぶことによって、習得のスピードは格段に早くなります。
また、今回紹介したドイツ語の特徴である造語力は日本語の特徴に近いものもあります。英語、日本語に特徴が近いドイツ語は日本人にとって学びやすい言語ではないでしょうか?
■必要に迫られることが一番
言語の習得の一番のポイントは、『必要に迫られること』です。
・新聞やテレビをみてみたことない新しい単語が出てきたときに、意味で単語を分解して、辞書をしっかり活用して、言葉の意味を調べる。
↑必要に迫られる場面で、必死に調べることで、一気にドイツ語の習得が進みます。
現地の人との様々な会話、ニュースや新聞など日常生活において活きた言語に触れる機会を増やすことが語学力アップの近道。男性名詞・女性名詞や人称がわからなくても、意味をしっかり理解しないとならない場面を数多く体験することで語学力は一気にアップします。
そういった点で海外留学というのは語学習得の大きな近道と言えます。(現地での生活は、現地の言葉を把握必要に迫られる機会だらけです。)