桜のドイツ語講座
die Kirschblüten 桜
Die Kirschblüten blühen. 桜が咲いています。
Die Kirschblüten schmecken nicht gut. 桜は美味しくありません。
Das sind しだれ桜.(Weinender Kirschblütenbaum) しだれ桜です。
Guck hier! Die Kirschblüten sind toll! こっちみて!桜すごいよ。
Die sind hier andere Kirschblüten. さっきとは違う桜です。
Guck mal hier! 見てて!
Die Kirschblüte ist sehr hübsch. この桜は綺麗ですね。
Na, wie gefallen dir die Kirschblüten? 桜の感想を教えてください。
Die Kirschblüten liegen auf dem Boden. 桜が落ちています。
Der Hund interessiert sich nicht für Kirschblüten. 犬は桜に興味がありません。
Die Kirschblüten liegen alle auf dem Boden. 桜がすべて地面にあります。
Die Kirschblüten fallen alle von den Blättern. 桜がすべて落ちています。
Hier sind schon alle Kirschblüten runtergefallen. ここの桜はもう全部散ってしまいました。
桜のドイツ語講座
今回は桜に関するドイツ語を勉強していきましょう!
愛犬マックス君と一緒にお花見をしたので、その時の会話もご紹介します。
die Kirschblüten 桜
Die Kirschblüten blühen. 桜が咲いています。
Die Kirschblüten schmecken nicht gut. 桜は美味しくありません。
Das sind しだれ桜.(Weinender Kirschblütenbaum) しだれ桜です。
Guck hier! Die Kirschblüten sind toll! こっちみて!桜すごいよ。
Die sind hier andere Kirschblüten. さっきとは違う桜です。
Guck mal hier! 見てて!
Die Kirschblüte ist sehr hübsch. この桜は綺麗ですね。
Na, wie gefallen dir die Kirschblüten? 桜の感想を教えてください。
Die Kirschblüten liegen auf dem Boden. 桜が落ちています。
Der Hund interessiert sich nicht für Kirschblüten. 犬は桜に興味がありません。
Die Kirschblüten liegen alle auf dem Boden. 桜がすべて地面にあります。
Die Kirschblüten fallen alle von den Blättern. 桜がすべて落ちています。
Hier sind schon alle Kirschblüten runtergefallen. ここの桜はもう全部散ってしまいました。
雨の日もお花見もしたので、その時の会話も紹介します。
Die Kirschblüten blühen in voller Blüte. 桜が綺麗に咲いています。
Die Kirschblüten sind sehr hübsch. 桜可愛いですね。
Dieses Jahr blühen die Kirschblüten im Regen. 今年は雨の中で桜が咲いています。
der Kirschblütenbaum 桜の木
die Kirschblüte 桜の花
Das ist sehr hübsch! これとても可愛い!
Die Kirschblüten sind im Wasser. 桜が水に浮いています。
Die Kirschblüte schwimmen. 桜が泳いでいるみたいです。
みなさんはどこでお花見をしましたか?
春が近づいてくると、日本にいてもドイツにいても桜が見たくなりますよね。
ドイツでお花見ができる場所をご紹介します。
春になったら、満開の桜を見にドイツの桜スポットへと出かけてみて下さい!
▽テレビ朝日さくら平和通り
壁跡地に植えられた平和を願う桜並木になります。
ベルリンの壁が崩壊してから30年以上が経過した現在、かつて東西ドイツがにらみ合ったベルリンの壁跡地では毎年9000本以上の桜が咲き誇っています。
その発端となったのは、1990年に日本のテレビ朝日が行った「桜植樹キャンペーン」です。
壁の崩壊直後、テレビ朝日による「ベルリン市民の心の安らぎと平和を願って、壁跡地に桜の植樹をしよう」という呼びかけのもと、視聴者約2万人からおよそ1億4000万円もの募金が集まったそうです。
こうしてベルリン各地に桜の植樹が始まりましたが、中でも有名なのはベルリンの南、テルトウ地区との境界の壁跡地にある、およそ4キロにわたって植えられた約1100本の桜になります。
このエリアには「テレビ朝日さくら平和通り」と名付けられた道が存在し、そこで毎年春に桜祭りが開催され、日本文化が披露されるステージや日本食、また地元のアーティストによる演目なども楽しめますよ。
【住所】
Marienfelder Anger 38, 14513 Teltow
~ベルリンの壁跡地が桜並木になるまでの苦労~
壁の崩壊直後にテレビ朝日の呼びかけで始まった「桜植樹キャンペーン」で、多くの人からの寄付が集まる一方、壁跡地に桜を植えるには、いくつものクリアしなければいけない問題があったそうです。
まず、崩壊したばかりのベルリンの壁跡地の所有者が誰なのかがはっきりしていませんでした。
また、旧西ベルリンとテルトウ地区の境界線一帯には、西ベルリンへの逃亡者を見逃さないよう、見通しを良くするために大量の除草剤がまかれていました。
草一本生えないこの一帯は「死の帯」と呼ばれ、土壌がひどく汚染されていたのです。
ほかにも、冬になると野生のウサギが桜の苗木の樹皮をかじってしまうなど、桜の木を長期的に管理・育成できる環境を整えることが必須でした。
テレビ朝日の担当者がベルリン市とポツダム市の緑地課と何度も話し合いを重ねた結果、ついに1990年11月、グリーニッケ橋のたもとに最初の2本が植えられました。ここは、東西冷戦時代に両陣営がスパイを交換する場所として知られています。
その後も壁の跡地や公園、幼稚園、学校、墓地などの公共地へと桜の植樹が続き、さらに日本の募金運動に感動した市当局が、市の財産として桜を受け取り、管理・維持費を負担することも決まりました。
そして2010年11月9日、ベルリンの壁が最初に開かれた「ボーンホルマー通り」に最後の1本が植えられ、20年にわたるキャンペーンは幕を閉じました。2011年の東日本大震災の後には、ベルリン各所の桜には献花やろうそく、追悼の手紙などが添えられていたこともあります。
壁崩壊をきっかけに生まれたベルリンの桜景色は、今も人々の思いをつなぎながら美しく咲き続けているので、そんな歴史を感じながら是非お花見をしてみて下さい!
▽グラッシィ博物館の桜
街の中心部、アウグストゥス広場の近くにあるグラッシィ博物館前では、毎年春になると見事な八重桜が咲き誇ります。緑の芝を囲むように桜の木が植えられており、晴れた日には赤茶色の博物館の建物にピンクの桜が映えて美しいですよ。八重桜が満開になると、その重さで枝が垂れ下がってくるため、たわわな花々を間近で眺めることができます。日向ぼっこをしたり、ピクニックをしたり、写真を撮ったりと、春の訪れを満喫できるドイツ有数の桜スポットです。
【住所】
Johannisplatz 5–11, 04103 Leipzig
▽広島祈念の杜(もり)の桜
広島県と姉妹都市であるハノーファー同市郊外にある「広島祈念の杜」には、広島の原爆投下の犠牲者を追悼し、広島市から贈られた110本の桜の木が植えられています。ここに植えられている桜は、葉と花が一緒に出る種類で、ソメイヨシノや八重桜とは一味違う美しさを楽しめるのがポイントですよ!
また桜の木のそばには、観音様が描かれた石碑が立てられています。
これは広島の爆心地から200メートル離れた所にあったもので、平和を求める気持ちを込めて、1992年に広島からハノーファーに贈られました。
毎年ここで行われる桜祭りは、茶道や折り紙をはじめ、剣道や習字などの日本文化に触れる機会にもなっています。
ドイツに滞在中、日本が恋しくなったら、是非行ってみて下さい!
【住所】
Janusz-Korczak-Allee, 30173 Hannover
▽へーア通りの桜並木
ボンの旧市街地にはさまざまな種類の八重桜が植えられており、市庁舎の裏手一帯の通りで3月半ばから4月半ばにかけて順々に咲いてきます。
その最後を飾るのが、4月中旬ごろに咲くへーア通りの桜並木です。
濃いピンク色の八重桜が通り一体に咲き誇り、ボンの街並みにもより一層、美しく映えます。
日差しの中に輝くピンク、夜桜のあでやかなピンクと、時間を変えて眺めるのもおすすめですよ。
ピンク色の無数の花びらはやがて散り、石畳の通りは桜色のじゅうたんのように覆われます。
通りに並ぶカフェやバーのテラス席で、コーヒーやビールを片手に桜を楽しむのもいいですね。
すぐ近くにはベートーヴェンの生家もあるので、そちらも是非寄ってみて下さい!
【住所】
Heerstr., 53111 Bonn
▽シュヴェツィンゲン城の庭園
ハイデルベルク近郊のシュヴェツィンゲンは、毎年4~6月にかけて世界の音楽ファンを楽しませるSWR シュヴェツィンゲン音楽祭が開催される、小さな街です。
音楽祭のメイン会場のロココ劇場があるシュヴェツィンゲン城内の一角にあるのが、桜の木が並ぶ美しい庭園になります。
春は庭園全体がピンク色に包まれ、写真を撮ったり散歩をしたりする人や、お弁当を持参してピクニックを楽しむ人々でにぎわい、桜の庭園以外にも、プファルツ選帝侯カール・テオドールが夏の離宮として建設したサーモンピンクの宮殿や、威容な佇まいのモスクなどを楽しむことができます!
【住所】
Schloss Mittelbau, 68723 Schwetzingen
▽アルスター湖周辺の桜
ドイツ各都市の中でもハンブルクは特に多いです。
1960年代後半、当時外交官としてハンブルクに暮らしていた橋丸重光氏のアイデアに始まり、ハンブルクの日本人コミュニティーがハンブルク市民との友好関係に対する感謝の印としてアルスター湖畔に桜が植えられた。
その後も市内各所への植樹が行われ、現在ではエルベ川河畔やアルスター湖、シュタットパーク、ハーゲンベック動物園、アルトナ区役所前公園などで桜を見ることができます。
アルスター湖畔では、毎年5月に桜祭りが開催され、日本食の屋台が出店されるほか、日本の花火が打ち上げられるなど、春の風物詩としてハンブルク市民から愛されています。
【住所】
Jungfernstieg, 20095 Hamburg
~ハンブルクの「さくらの女王」~
ハンブルクでの桜祭りのメインプログラムの一つに、2015年から行われている「さくらの女王」の選出があります。
これはもともと、1964年に設立された公益財団法人日本さくらの会が日本で2年に1度行っている「日本さくらの女王」に由来するそうです。
選出された「日本さくらの女王」は、国内外各地で開催される桜祭り・桜の植樹式へ出席し、国内外で友好・国際親善活動を行う役割を担いますが、ここハンブルクでは1968年に、日本さくらの会から「ハンブルクさくらのプリンセス」を選ぶ権利が与えられたそうです。さくらのプリンセスは2年に1度、桜祭りの際にハンブルク市民から選出され、これまで日独の文化交流や経済交流の促進のため親善大使として活躍しています。
さらに2015年には、「さくらのプリンセス」(Prinzessin)から「さくらの女王」(Königin)へと名称を変更しました。
応募資格は、ハンブルク市民の女性で日本文化に興味を持っていることの他に、一般教養や英語の知識も求められるようです。
日本の女王がハンブルクを訪れたり、ハンブルクの女王が日本を訪れたりと、これからもさくらのクイーンたちが両国の絆を深めてくれるのが楽しみですね。
▽ウンタートーア広場の桜
フランクフルト近郊にある小さな街、ホーフハイムには木組みの家が立ち並ぶ素朴でメルヘンチックな街並みがあります。
そんなホーフハイムのウンタートーア広場にはソメイヨシノが見所です。
すぐ近くには、かつてシナゴーグとしても使われていた城塞の丸い塔が残っており、現在はレストラン「Türmchen」(小さな塔)として営業しています。
ここのテラス席に座って桜を眺めながら、食事もオススメです。
さらに桜の木の近くには、小さな赤い鳥居もあるので訪れた際は行ってみて下さい。
【住所】
Am Untertor, 65719 Hofheim am Taunus
▽ホルツ通りの桜
ノイオルフェンシュテットとノイシュテッターフェルトのちょうど境にあるホルツ通りには、数百メートルも続く桜並木があります。
東西ドイツ再統一直後の1993年にオープンした大型ショッピングセンター「フローラパーク」の開店に合わせて、そこへと続く道に日本の桜の木が植えられたそうです。
さらに同じ「フローラパーク」という名前の市民公園が隣接しており、そこではさまざまなテーマ別の庭園を楽しむことができます。
【住所】
Holzweg, 39128 Magdeburg
▽テック城砦(さい)の麓の桜
シュトゥットガルト近郊のオーヴェンという街にあるお花見スポットは、地元の人に有名なテック城砦の麓にあります。
標高773メートルの城砦の北西側に、主にさくらんぼが実る桜の木が植えられており、春には白い花を咲きます。
周辺には芝生も広がっているので、シートを広げてのんびりとお花見をするのもいいですね!
緑の芝生と青空を背景に花が咲き、どこか牧歌的でノスタルジックな風景が美しいですよ。
周辺はシュヴァーベン地方のアルプスとも呼ばれる高原地帯なので、春の日差しを浴びながらハイキングをするのもオススメですね。
【住所】
Burg Teck, 73277 Owen www.burg-teck-alb.de
▽クアガルテンの桜
オーストリアとの国境付近に位置し、大自然に囲まれた保養地としても有名なベルヒテスガーデンの街の中心部クアガルテン(保養公園)には、中央にある噴水の両脇に桜の木が並んで植えられており、雄大なバイエルンアルプスの山々をバックに桜を楽しむことができます。
ベルヒテスガーデンの標高が高いため、桜の開花は5月上旬ごろとやや遅めです。
さらに国立公園まで足を延ばせば、ほかでは見られないアルプスに生息するさまざまな春の草花に出会えます。
ほかにもヒトラーの山荘だった「ケールシュタインハウス」や、トロッコに乗って現役の岩塩坑を見学できるザルツベルクヴェルクなど見所が多くあるので、是非行ってみて下さい!
【住所】
Maximilianstr. 9, 83471 Berchtesgaden
▽アムステルダムセ・ボスの桜並木(オランダ)
ドイツではなく、オランダになりますが、アムステルダム市やアムステルフェーン市などにまたがる広大な公園「アムステルダムセ・ボス」の一角には、桜公園(Kersenbloesempark)があります。
400本の桜並木は、まるで日本かと見まがうほどの圧巻の風景です。
この桜は2000年に日蘭友好400周年を記念して、アムステルフェーンのJapan Women's Club から送られたもので、シーズンにはお花見を楽しむ人でにぎわいます。
以上、ドイツのお花見スポット10カ所をご紹介致しましたが、いかがでしたでしょうか?
どこも素敵な場所で、日本と同じ桜だけど、町並みが違うので、日本とは違うお花見ができるかと思います。
春の時期にドイツに訪れた際は、是非ドイツでお花見をしましょう!
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歴史も名所も...ドイツ人も日本人も愛している”桜”について徹底解説!
実はドイツにも桜が!?
桜は日本のものというイメージがある方もいるかもしれませんが、本来桜の野生種は日本だけでなくヨーロッパ諸国や中国、北アメリカ大陸などの北半球の温帯に多く存在します。
日本や中国などに多いのはヤマザクラやセイヨウミザクラなどの”サクラ属”に
分類される桜ですが、ヨーロッパ諸国の桜はモモやウメと同じ”スモモ属”に分類されます。
ドイツでは1866年に博物学者のフィリップ・フランツ・フォン・シーボルトが日本から”ホクサイ”と呼ばれる品種を持ち出したことが桜の歴史の始まりとされています。また、1977年から3年間”日本花の会”と呼ばれる花と緑の名所を作り出す団体がハンブルグに5000本の桜の苗木を贈呈したり、ベルリンの壁崩壊後に日本のテレビ局である”テレビ朝日”と日本花の会が共同で6000本の桜の木を贈呈したりと日本との協力関係を持ちながら桜の数を増やしていきました。
〇 ”プチドイツ語講座~桜編~”
桜を使ったドイツ語の例文を記載します。
①Das ist eine Kirschblüte.
こちらは桜です。
②In Japan ist die Kirschblütenzeit am schönsten.
日本では桜の季節が一番美しいです。
③Auch in Deutschland sind japanische Kirschblüten sehr bekannt.
日本の桜はドイツでも非常によく知られています。
④Die Kirschblüten blühen.
桜は綺麗に咲いています。
⑤Ich möchte nach Japan gehen wenn die Kirschblüten blühen.
桜が咲いたら日本に行きたい。
もしドイツ人の方と桜について話すときには使ってみてください。
歴史も名所も...ドイツ人も日本人も愛している”桜”について徹底解説!
日本には”四季”と呼ばれる春・夏・秋・冬の4つに分かれた季節が存在します。日本人はそれぞれの季節に合わせた過ごし方やイベントを開催してきました。
その四季の一つである春を代表するものとして”桜”があります。卒業や新生活を感じさせる桜はJ-POPの歌詞にも使われるほど日本で浸透しています。
今回はその桜について紹介します。
〇桜とは
桜はバラ科サクラ亜科サクラ属(スモモ属)の広葉樹を総称したものです。
桜を含め、植物には野生の生物種である”野生種”と品種改良などをした”種間雑種”がありますが、桜の多くは種間雑種であるとされています。
また、桜はお花見や観光地に植樹されるような”観賞用”とサクランボや花や葉の漬物などの”食用”に分類されます。観賞用として最も多く植えられているのは”ソメイヨシノ”と呼ばれる品種ですが、ソメイヨシノのサクランボは黒紫色で苦みと酸味が強いので食用には向いていません。そのように桜の種類によってはその用途が変わってきます。
桜の花言葉は”精神の美”や”優美な女性”、”優れた教育”など人間の健全で清楚な本息を表現しています。
〇日本での桜
日本では平安時代に観賞用として栽培し始めましたが、それ以前は食用として利用されていることが殆どでした。現在はソメイヨシノが多く見られていますが、平安時代では”ヤマザクラ”や”八重桜”と呼ばれる日本の固有種が主流でした。そこから鎌倉時代には”オオシマザクラ”、室町時代には”フゲンゾウ”や”ミクルマガエシ”というように普及している桜は段々と変化していきました。
しかし、明治時代に文明開化の影響で庭園がなくなるとともに桜も伐採されていきました。その現状に危機感を感じた庭園職人・高木 孫右衛門は伐採された桜の枝を自宅で育てました。それを見た江北地区の戸長だった清水 謙吾が東京の荒川に桜をたくさん植えた桜並木を作り、その並木が後に”五色桜”として有名になることで全国でも同様のことが行われるようになりました。
さらに、第二次世界大戦では荒川の桜並木が壊滅的な被害を被りました。その際は植樹業者である小清 水亀之助を筆頭に国立遺伝子学研究所などが復興に注力しました。このような様々な人の活動によって現在も日本の風物詩の一つとして桜が浸透しています。
〇日本の桜の名所
前章で日本の桜の歴史について紹介してきましたが、ここからは日本の桜の名所をいくつか紹介します。
・日中線しだれ桜並木
福島県にある喜多方駅から熱塩駅を繋ぐ”日中線”という鉄道路線の途中にある桜並木。
約3kmの道沿いにある約1000本の桜を楽しめます。
このエリアに咲いているのはソメイヨシノではなくシダレザクラと呼ばれる枝が垂れている桜であることから希少性が高くなっています。
・目黒川
東京都の世田谷区、目黒区、品川区に流れている河川。
両岸に約800本の桜があるのが特徴の観光地です。目黒川さくらまつりが行われていたりお花見のスポットとしてメディアに取り上げられたりと関東の桜が見られるスポットとしては欠かせない場所です。
・大阪城公園
大阪城特別史跡地にある公園。
公園内全体では約3000本、西の丸庭園と呼ばれる有料エリアでは300本の桜を楽しむことができます。また、大阪城が近くにあるため、桜と城という日本の風情を味わうことができます。
〇実はドイツにも桜が!?
桜は日本のものというイメージがある方もいるかもしれませんが、本来桜の野生種は日本だけでなくヨーロッパ諸国や中国、北アメリカ大陸などの北半球の温帯に多く存在します。
日本や中国などに多いのはヤマザクラやセイヨウミザクラなどの”サクラ属”に
分類される桜ですが、ヨーロッパ諸国の桜はモモやウメと同じ”スモモ属”に分類されます。
ドイツでは1866年に博物学者のフィリップ・フランツ・フォン・シーボルトが日本から”ホクサイ”と呼ばれる品種を持ち出したことが桜の歴史の始まりとされています。また、1977年から3年間”日本花の会”と呼ばれる花と緑の名所を作り出す団体がハンブルグに5000本の桜の苗木を贈呈したり、ベルリンの壁崩壊後に日本のテレビ局である”テレビ朝日”と日本花の会が共同で6000本の桜の木を贈呈したりと日本との協力関係を持ちながら桜の数を増やしていきました。
〇ドイツの桜の名所
日本同様桜が親しまれているドイツ。そんなドイツの桜の名所を紹介します。
・テレビ朝日さくら平和通り
前章で紹介したベルリンの壁崩壊後に作られた桜並木。当初は約5000本でしたが、30年以上経過した2022年には9000本以上あると推定されています。これらの桜の費用は当時”桜植樹キャンペーン”と呼ばれるテレビ朝日の取り組みに参加した視聴者2万人が寄付した1億4000万円との募金で賄ったとされています。
テレビ朝日さくら平和通りで特に有名なのは4kmの沿道に植えられている約1100本の桜並木なのでこれは見逃せません。また、このテレビ朝日さくら平和通りでは桜祭りなど様々なイベントが行われるのも特徴です。
・グラッシー博物館
ザクセン州のライプツィヒという都市の中心部にあるグラッシー博物館の正面にある広場の桜。
庭園の芝を囲うように八重桜が植えられています。グラッシー博物館は外壁の色が赤茶色なのが特徴的ですが、この赤茶色、桜のピンク色、芝の緑色は非常にマッチした色合いなので華やかに見えます。そのため、ピクニックや散歩、写真撮影など春を満喫しながら様々な過ごし方をすることができます。
・ヘーア通り
ベートーヴェンが生まれたことでも有名なノルトライン=ヴェストファーレン州のボンという都市にあるヘーア通りの桜並木。
“桜のトンネル”とも呼べるほど様々な種類の八重桜が道の上まで枝を伸ばしているためアーチの様になっています。また、地面にも大量の花びらが落ちており、桜の絨毯を連想させます。
濃いピンク色をした八重桜は日中に美しく映えている街並みと合わせたり、夜に街灯とともに夜桜として楽しむのも風情があります。
日本では受験で志望校に合格することを”サクラサク”と言われています。また、女の子の成長を願う日として3/3に制定されている”ひな祭り”でも桜を練りこんだ”桜餅”が食べられています。そのように桜は現在も鑑賞だけではなく、めでたい時にも使われる程日本人に愛されています。
ドイツ人も愛してやまない桜は殆どが春の間だけ開花し、その他の時期には咲きません。そのため、短い期間しか楽しむことが出来ないので春が来たら思う存分桜を堪能してください。