ドイツ語のRから始まる早口言葉!ドイツ語のRの発音は難しい!?
みなさんは早口言葉は得意ですか?
「生麦生米生卵」「隣の客はよく柿食う客だ」等々、一度は聞いた事はありますよね!
ドイツ語だと早口言葉は
Zungenbrecher
(ツンゲンブレッヒャー)
と言います。
今回はドイツのRの発音がふんだんに使われているドイツの早口言葉を沢山紹介していきます。
発音の仕方はこの記事の動画を参考にしてみて下さい!動画の私と一緒に発音してみましょう!
ポイント💡
Zunge:舌、Brecher:壊すもので、直訳すると「舌を壊すもの」になります。
早口言葉で舌を噛まないように注意しましょうね!
■まずはドイツ語Rの発音から!
私の過去の記事に、Rの発音にフォーカスした記事があります。
こちらの記事を参考にして、Rの発音に慣れてみましょう!
ポイントは、喉仏の奥から声を出すようにする事です。
実際に喉仏を触りながら発音してみて下さい。ヴヴヴっと振動すると上手に発音出来ている証拠ですよ!
■さていよいよドイツ語の早口言葉の紹介!まずは動画で紹介したドイツ語早口言葉8選から!
ここからは早口言葉を紹介していきます。
「原文」「カナ読み」「直訳」の3種類を表記しますが、実際の発音は文字に表すのが非常に難しい音をしています。
なので、動画の私に続いて発音を真似してみて下さい!
ポイント💡
因みにドイツ語は固有名詞のみだけはなく、普通名詞も全て頭を大文字で書くので、文章の中のどれが名詞なのかはすぐに見分けがつきますね!
〇Rollende Räder rasseln über runde Steine.
(ロレンデ レイダ ラッセン ウーヴァ ウォンデ シュタイナ.)
直訳すると「丸い石の上を転がる車輪がガタガタと動く」です。
Rollende Räder = 転がる車輪
rasseln = ガタガタと動く
runde Steine = 丸い石
ポイント💡
RollendeのRの発音こそ、喉仏の奥から声を出すようにする事が重要です。ここでコツを掴んでみましょう!
〇Rasende Rennfahrer rodeln in der Rodelbahn.
(ラゼンデ レンファーラー ウォデン インデ ウォデバン.)
直訳すると「熱狂的なレーサーたちがトボガンランでトボガンをする」です。
Rasende = 熱狂的な
Rennfahrer = レーサー
rodeln = トボガン
Rodelbahn = トボガンラン
ポイント💡
トボガンとは小型のソリの事です!
因みにペンギンさんが腹這いで氷の上をスィーっと滑る行動の事もトボガンといいます。豆知識!
〇Rauchlachs mit Lauchreis. Lauchreis mit Rauchlachs.
(ラオラクス ミト ラオライス.ラオライス ミト ラオラクス.)
直訳すると「スモークサーモンとネギご飯。スモークサーモン入りネギご飯。」です。
Rauchlachs = スモークサーモン
Lauchreis = ネギご飯
ポイント💡
これはドイツ人の私でもとても難しい早口言葉です。
口の奥の摩擦音に注目して聞いてみて下さい。
〇Blaukraut bleibt Blaukraut und Brautkleid bleibt Brautkleid.
(ブレウカウト ブレ ブレウカウト ウン ブカウトクライツ ブレ ブカウトクライツ.)
直訳すると「紫キャベツは赤キャベツ、ウェディングドレスはウェディングドレス。」です。
Blaukraut = 紫キャベツ
Brautkleid = ウェディングドレス
ポイント💡
これもとても難しいですね!!
"Brautkleid"の"r"の音に注目です。
これは正確には"ラ"ではなく、"カ"に近い"ラ"の発音をします。
〇Brauchbare Bierbrauerburschen brauen brausendes Braunbier.
(ブカオバーガ ビアバカワブシュン ブカウン ブカウセンデス ブカウンビア.)
直訳すると「優秀なビール醸造家たちが轟音を立てて茶色のビールを醸造します。」
Brauchbare = 使える
Bierbrauer = ビール醸造家
Burschen = 少年達
brauen = 醸造する
brausendes =轟いている
Braunbier =茶色のビール
ポイント💡
一つ前の"Brautkleid"の"r"の音のおさらいです。
"カ"に近い"ラ"の発音をします。動画の私の口と音に注目して!
〇Kritische Kröten kauen keine konkreten Krokettn.
(キリティッシェ クロエン カウン カイネ コンクリーティン クォケテン.)
直訳すると「致命的なヒキガエルはコンクリートの粒を噛みません。」です。
Kritische = 致命的
Kröten = ヒキガエル
kauen = 噛む
konkreten = コンクリート
Krokettn = 粒
〇Drei bärtige Reiter reiten rasend über graue Berge.
(ドライ ビアティゲ ライター ライテン ラズンド ウーヴァ グァウ ビアガ.)
直訳すると「3人のひげを生やした騎手が灰色の山の上を猛然と駆け抜けます。」です。
bärtige = 髭を生やした
Reiter = 馬術
reiten = 乗る
rasend = 狂った
graue = 灰色
Berge = 山
ポイント💡
始まりの難易度は低めですが、後半に掛けて口の中が忙しくなってくる早口言葉です。
〇Rasend rasantes Rumpelstielzchen ruppelt Rollos rauf und runter.
(ラズンド ラザンテス ルンペルシュティルツヒェン ルペルト ロロス ラウフ ウン ルンター.)
直訳すると「狂乱したルンペルシュティルツヒェンがブラインドを上下にガタガタと鳴らします。」です。
rasantes = 早い
Rumpelstielzchen = ルンペルシュティルツヒェン
ruppelt = ガタガタする
Rollos = ブラインド、シェード
rauf und runter = 上下
ポイント💡
これは少し長い早口言葉でしたね。みなさんは出来ましたか?
「ルンペルシュティルツヒェン」(Rumpelstilzchen)は、グリム童話のお話です。
『がたがたの竹馬こぞう』と訳されることもありますよ!
"Rumpelstilzchen"とは、ガタゴト鳴る柱(Rumpel = ガタゴトという音、騒々しい。Stilz = ものを支える柱)に擬人的な意味合いで指小辞 (-chen) を添えたものです。
■ここから動画では紹介しきれなかった早口言葉の紹介!!
有名なものからマイナーなものまで何点か紹介します。
あなたはいくつ知っているでしょうか…!?
〇Fischers Fritz fischt frische Fische.
(フィッシャース フリッツ フィッシュトゥ フリッシェ フィッシェ.)
直訳すると「フリッツという漁師が新鮮な魚を釣る。」です。
Fischer = 釣り人
fischen = 釣りをする
frisch = 新鮮な
Fische = 魚
ポイント💡
これはドイツ語を勉強していたら必ず目にする、有名な早口言葉です。
実はこれ、フリッツという猟師が新鮮な魚を釣るお話を、語順を変えて2回繰り返しています。
ドイツ人の知り合いが出来たら「この早口言葉を知ってるよ!」と披露してみるのはいかがでしょうか。
〇In Ulm und um Ulm und um Ulm herum.
(イン ウルム ウント ウム ウルム ウント ウム ウルム ヘルム.)
直訳すると「ウルム市内とウルム市周辺とウルムを一周」です。
Ulm = ウルム
um = 〇〇の周りを
um 〇〇 herum = 〇〇周辺に
ポイント💡
ウルムはドイツ南部にある地方都市の事です。
もしウルムの方々とお話をする時ジョークがてら使ってみてもいいかもしれませんね。、
〇Wenn Fliegen hinter Fliegen fliegen, fliegen Fliegen hinter Fliegen nach.
(ヴェン フリーゲン ヒンター フリーゲン フリーゲン, フリーゲン フリーゲン ヒンター フリーゲン ナッハ.)
直訳すると「ハエが他のハエのあとに続いて飛べば、ハエはハエの後を追う。」です。
Fliegen = ハエ
fliegen = 飛ぶ
hinter = 後ろに
nachfliegen = あとに続いて飛ぶ
〇Kleine Kinder können keinen Kaffee kochen.
(クライネ キンダー ケネン カイネン カフェ コッヒェン.)
直訳すると「小さい子供はコーヒーを淹れることが出来ない。」です。
klein = 小さい
Kinder = 子供達
können = ~できる
Kaffee = コーヒー
kochen = 料理をする
ポイント💡
これは割と簡単な部類の早口言葉です。
kの発音が小気味いいですね!カ行の練習によろしければどうぞ!
〇Der Koch roch auch noch in der Nacht nach Knoblauch.
(デア コッホ ロッホ アオホ ノッホ イン デア ナハト クノープラオホ.)
直訳すると「そのシェフは夜中になってもまだニンニクの匂いがした。」です。
Koch = 料理人
roch = 匂いがした
noch = まだ
in der Nacht = 夜中
Knoblauch = ニンニク
〇Achte alte Ameisen aßen am Abend Ananas.
(アハテ アルテ アマイゼン アーセン アム アーベント アナナス)
直訳すると「8匹の年老いたアリが晩にパイナップルを食べた。」です。
acht = 8
alt = 老いた
Ameise = アリ
am Abend = 夜に
Ananas = パイナップル
ポイント💡
こちらはア行の練習にでもどうぞ!
〇Zehn zahme Ziegen ziehen zehn Zentner Zucker zum Zoo.
(ツェーン ツァーメン ツィーゲン ツィーエン ツェーン ツェントナー ツッカー ツーム ツォー.)
直訳すると「10匹のおとなしいヤギが10ツェントナーの砂糖を動物園に引いていく」です。
Zehn = 10
zahme = 飼いならす
Ziegen = ヤギ
ziehen = 引く
Zentner = 100kg
Zucker = 砂糖
zum = ~の為に
Zoo = 動物園
ポイント💡
因みに、1ツェントナーは100kgなで、10ツェントナーは1トンという事です!
〇Wenn um Rumkugeln Rumkugeln rumkugeln, kugeln um Rumkugeln Rumkugeln rum.
(ヴェン ウム ルームクーゲルン ルームクーゲルン ルムクーゲルン、クーゲルン ウム ルームクーゲルン ルームクーゲルン ルム.)
この訳は「ラムボールの周りをラムボールが転がると、ラムボールの周りにラムボールが転がる。」です。
Rumkugeln = ラムボール
um = 〇〇の周りを
ポイント💡
不思議な早口言葉ですよね。
因みにラムボールとは球形のチョコレートの中にラム酒が含まれている洋菓子の事で、日本発祥のチョコレートなんですよ!!
いかがでしたでしょうか?
今回はネイティブのドイツ人の私でもかなり難しかったです。
もし今回の早口言葉を正しい発音でスムーズに読めたら、Rの発音にグッと近づけているはずです!マスターできたらドイツ語発音の向上にもなるので、練習にぜひどうぞ!
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日本人が間違えやすいドイツ語のrを上手に発音しよう!
ドイツ語のr発音
ドイツ語の r の最も一般的な発音は,口蓋垂(こうがいすい)の摩擦音です。
口蓋垂の摩擦音は,口の奥の摩擦音で「ハーッ」という音のように聞こえます。そのため Rose[バラ]は,日本人の耳には「ホーゼ」のように、rot[赤い]は「ホート」のように聞こえるかもしれません。
Rose [ローゼ] バラ
richtig [リヒティヒ] 正しい
Japanerin [ヤパーネリン] 日本人(女性)
日本人が間違えやすいドイツ語のrを上手に発音しよう!
ドイツ語の発音の中でrは本当に難しいと言われています。今回はそのrの発音の勉強をしていきましょう!よかったら声に出して試してくださいね。上達が早くなりますよ♪
まず、喉仏の奥から声を出すようにします
実際に喉仏を触りながら発音してみて下さい。ヴヴヴっと振動すると上手に発音できている証拠です。
ドイツ語r発音練習のオススメ単語
Rot [赤]
der Arm [腕]
der Rat [アドバイス]
der Narr [バカ] ←本当は覚えては欲しくない単語ですが、発音練習の為に覚えて欲しい単語です。
der Motor [モーター]
die Ratte [ねずみ]
der Alarm [警報] ←これはそれほど音がしない静かなタイプです
der Pirat [海賊] ←これはハッキリと音がします
die torte [ケーキ] ←これはそれほど音がしない静かなタイプです
die Eltern [両親] ←これはそれほど音がしない静かなタイプです
lernen [勉強] ←これはそれほど音がしない静かなタイプです
r発音は難しいですが、練習すればするほど上手になって楽しくなってきます!
是非みんなで上手になっていきましょう!!
ドイツ語のr発音
ドイツ語の r の最も一般的な発音は,口蓋垂(こうがいすい)の摩擦音です。
口蓋垂の摩擦音は,口の奥の摩擦音で「ハーッ」という音のように聞こえます。そのため Rose[バラ]は,日本人の耳には「ホーゼ」のように、rot[赤い]は「ホート」のように聞こえるかもしれません。
Rose [ローゼ] バラ
richtig [リヒティヒ] 正しい
Japanerin [ヤパーネリン] 日本人(女性)
練習方法として,最初は 口蓋垂の摩擦音rと調音点の近いgに続けて発音してみるといいですよ。
Gras [グラース] 草
groß [グロース] 大きい
Gruppe [グルッペ] グループ
Programm [プログラム] プログラム
語頭の r はそれに比べて難しくなります。ここでも近い音に続けて練習するといいですよ。次は,口の奥の摩擦音に続ける例です。
doch rot [ドホ ロート] やっぱり赤
auch rund [アオホ ルント] また丸い
Raum [ラオム] 部屋
Reis [ライス] 米
Ruhig [ルーイヒ] 静かな
語末や音節末の –er, –r は、ふつう母音化され [ɐ] という音になります。[ə] よりもやや口を開いた曖昧母音で、軽く「ア」と発音しましょう。
ich studiere [シュトゥディーレ] 専攻している
aber [アーバー] しかし
Japaner [ヤパーナー] 日本人(男性)
辞書でのr発音
辞書などでは,r の音は簡略化して [r] で示します。厳密には,[r] はイタリア語などの「巻き舌の r」(ふるえ音)です。日本語のラ行の音は舌先で歯茎の辺りを弾く [ɾ](はじき音),英語の r は舌先がどこにも触れない [ɹ](接近音)があり、r の発音にはいくつかのバリエーションがあります。
[ʁ]
上述の通り,標準ドイツ語でもっとも一般的な発音で、口蓋垂と舌の奥による摩擦音です。フランス語の r の音と同じになります。
[ʀ]
口蓋垂を(1回から数回)震わせる「ふるえ音」で、上記の [ʁ] の強めの発音と考えましょう。前後の環境(特に母音に挟まれる場合)や地域によって用いられるほか,r を明瞭に発音したいときなどに用いられます。
[ʕ]
口蓋垂よりさらに奥の方の摩擦音で舌の根元を咽頭壁に接近させて発声します。ドイツの南西部,東部中央ドイツ,チロル地方,スイスの一部(北部・東部)で用いられています。
[ɾ]/[r]
[ɾ] は舌先で歯茎の辺りを1回はじく「はじき音」で、[r] は複数回はじく(舌先を歯茎の辺りで震わせる)「ふるえ音」です。[ɾ] は日本語の r の音で、[r] はイタリア語やロシア語などのいわゆる「巻き舌の r」になります。参考書などでは,この「巻き舌の r」がよく紹介されるが,頻度としては1回だけはじく [ɾ] の方が多いです。これはスイスの発音として知られており,ほかにバイエルン地方,オーストリアの一部でも用いられています。年配の世代に限ると,北部ドイツ,西部中央ドイツでも用いられます。有名ですが、オペラなどの歌唱では巻き舌の [r] のみが用いられていますよ。
[ɹ]
英語の r の音と同じで、舌先を歯茎の辺りに接近させて(接触はさせずに)発音します。上記の [ɾ]/[r] が用いられている地域で,バリエーションの一つとして、 [ʃ] のあとで用いられます。なお、英語からの外来語や英語圏の人名・地名の場合には、ドイツでもこの [ɹ] が用いられています。
ドイツ語のRは口蓋垂を震わせます。楽な格好で座って、やや下を向きながら(カフェで向かいの人の腕時計を見るくらいの角度)、喉に潤いを与えながら練習するのがオススメですよ。
その時に「ング」という音をRの前に付けてあげて、Grrrrr…と発生してみると発音しやすいと思います。喉を触ってみて震えていたら正解です!
r発音の歴史
日本ではヘボン式のローマ字表記で「ラ」行に「R」が使われています。その一方で、英語やドイツの「R」の発音が苦手な日本人も多いですよね。「R」の発音は様々で、その人の背景や地域の歴史などを知る手がかりにもなるかもしれません。
「R」の発音の仕方は様々で、うなったり、舌を丸めたり、舌を巻いたり等あります。どのような「R」の音を出すかによって人は、自分がどこの出身なのかを物語っています。
少なくとも1種類の「R」音を含む言語は、世界全体で75%に上ります。「R発音」を英語の言語学用語で「rhotic」と言い、ほとんどの言語に「R」の音が含まれるものの、同じような発音は非常に少ないです。口の一番奥で発音するのも「R」なら、唇で発音るすのも「R」。舌を細かく振動させるいわゆる巻き舌、空気の通過をしっかりふさぐ舌、空気を少しだけ通す舌、あるいはまったく何もしない舌など、舌の関わり方も様々です。たとえばフランス語の場合、「いわゆる」フランス語のRと私たちが思う音は、喉の奥を震わせるうがい音のような「R」で、言語学者はこれを「口蓋垂音」と呼びます。
一方でドイツ語の口蓋垂音の「R」は、母音に続く場合はまったく消えるので、フランス語とは少し違います。
特徴的なフランス語の「R」発音は17世紀に人気を得ました。
すべての「R」音に共通するのは何なのか、言語学者は論争を重ねてきて、米シンシナティ大学による最近の超音波映像実験によると、人が「R」音を出すとき、舌の上や先の動きは多種多様でも、舌の付け根は必ず喉の筋肉を緊張させているのだと言います。
ほとんどの場合、「R」を発音するには他の音よりも時間がかかり、そしてほとんどの場合、幼児はなかなか「R」が言えるようになりません。舌先を振動させる巻き舌は、特に難しいです。その為、もっと簡単な音で代替させようとします。もっと簡単に発音するために言葉の音を変えるというのは、変化の大きい要因で、相手に理解してもらうため面倒な発音が、もっと簡単に発音できるならそれに越したことはないですよね。ただし、欧州各地で「R」の発音がバラバラなのは、言いやすさ・聞きやすさが理由ではありません。欧州では、流行とアイデンティティーが、「R」の違いの2大要因となります。
大昔の欧州では、ラテン語話者は「R」を舌先で発音していました。フランス語話者も長いこと、その「R」音を使っていました。しかし17世紀後半のパリで、喉の奥でうがいするような音を出す「R」がおしゃれ族の間で流行しました。舌先を振動させるのが面倒だったのかもしれないし、単にかっこいいとおもったのかもしれません。ほかには「R」を「L」や「Z」に置き換えたり、「R」をまったく発音しないという人も増えました。そのため、有名な医師のニコラ・アンドリィ・ド・ボワ=ルガールは、喉の奥を振るわせる口蓋垂音を使うように提唱しました。この口蓋垂音の「R」は次第にフランス中に広まり、舌先を振動させる「R」はやがて「下品」、もしくは「田舎っぽい」と見なされるようになっていきました。
そしてこの音は、町から町へと広がり、ドイツ、オランダ、そしてデンマークまで伝わりました……と言われるものの、ことはそれほど単純ではありません。喉の奥の「R」はこのころすでにドイツの一部地域で出現していたという記録もあります。口蓋垂音の「R」がドイツや近隣諸国に広がったのは確かに、行商人の移動に伴ってのことでした。1700年までにベルリンに定着し、18世紀後半までにはコペンハーゲンに広がり、そこからデンマーク一帯に伝わり、さらに19世紀後半までにはスウェーデン南部に到達し、そこで止まりました。また、ドイツと古くから交易していたノルウェー・ベルゲン周辺にも伝わりました。
同じ音はオランダにも伝わりましたが、オランダは各地で色々な「R」が混在しています。舌先で発音する人も喉の奥で発音する人もいるほか、アメリカ人のように口の中央で発音する人もいます。言語の変化の最先端を行くのは通常、若い女性だが、オランダの若い女性がどういう「R」を好むかは、都市によって異なります。
一方で、お隣のベルギーのフラマン語(オランダ語の一種)は、口蓋垂音の「R」を使いません。ベルギーでは、口蓋垂音の「R」を使うフランス語も公用語なので、それも関係するのかもしれません。つまり、ベルギーでは「R」の発音の違いが、その人がどの言語集団に属するかを表します。
ポルトガルとスペイン語には2種類の「R」があります。
口蓋垂音の「R」は西へも移動しました。(一部の例外を除いて)スペインは抵抗しましたが、ポルトガルでは大流行しました。ポルトガル語にはスペイン語と同様、二種類の「R」がある。重い「R」はたとえば「carro(荷車)」、軽い「R」は「caro(親愛な)」で使われます。19世紀後半には、大都市の実力者たちがフランス語の「R」に似た重い音で発音するようになりました。フランスの直接的な影響によるかどうかは、分かっていませんが、数十年のうちにこの重い「R」がほぼ主流となりました。
ポルトガル語における「R」の多様性は、ブラジルで一層すごいことになります。場所と話者によって、オランダ語の「ch」や「h」にも聞こえ、文脈によってはまったく無音になります。よって、ブラジルでの重い「R」によって「carro」は私たちには「カホー」に聞こえ、「Rio」は「ヒオ」に聞こえます。
ブラジルでは「R」の発音は地域によって異なります。
その一方、軽い方の「R」の音は大なり小なり変わりませんでしたが、ポルトガルの都市部では最近、母音の後にアメリカ式に発音する人が登場し始めます。サンパウロに近い農村部ではもう何年も前からその発音だったが、「田舎なまり」と呼ばれ、おしゃれではないので広まりませんでした。
他方でイギリス人は、独自路線を突き進んでいきます。おそらく1000年前には、国内には複数の「R」発音が存在したと思います。専門家の議論はまだ尽きていませんが、シェイクスピアの時代(16世紀後半から17世紀初頭)になるとすでにイングランドの一部で、省エネのために母音に続く「R」を発音しない人が増えていたことは、文献で分かっています。しかし、母音に続く「R」は無声という発音が社会の有力者の間でも定着したのは18世紀後半のことで、そのころに一気に広まりました。アメリカの独立戦争を経て本国に帰国した入植者たちが、イギリス国内の発音の変化に驚いたほどです。
イングランドではシェイクスピアの時代に一部の人が「R」を発音しなくなりました。
ロンドンで、Rを落とす発音が主流になります。ただし、ランカシャーやノーサンブリアは除外され、影響はスコットランドの手前で止まります。スコットランドはアイルランドと同様、自分たちの発音がイングランドと違うことを誇りにしているからです。
アイルランドでは「R」を落としません。「Ireland(アイルランド)」という言葉の発音がその典型です。イギリスでの発音は「アイランド」に近いですが、アイルランド人は「R」を発音します。そしてスコットランド人は「R」を落とさないどころか、振動させます。
このほか、ジョーディー(イングランド北部のニューカッスルやダラムなどの人を指す)発音もあります。18世紀になるころには、喉の奥を振るわせる「R」はノーサンブリア地方の人間の誇りでした。20世紀半ばまでこれは続きましたが、大衆文化や教育や流行のおかげで、わずか一世代のうちにほとんど消滅します。
アメリカ人も「R」発音の流行と無縁ではありません。ボストンやニューヨークを初めとする港湾都市の富裕層や高学歴層は、「R」を発音しないイギリスの流行をたちまち取り入れました。南部の農場主も同様で、そこから周囲に波及します。一方で、同じ南部でも大農園から離れた山間部に住む貧困層は、流行に無縁でした。「R」を全て発音し続けた結果、どうなったかというと、ブラジルと同じです。「田舎者」と呼ばれる発音になりました。
このようにr発音には歴史があります。どこでどういう「R」の音が好まれるかは、今後も常に変わり続けるかもしれませんね。
ドイツ情報のメルマガ
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【日本人が苦手なR】 ドイツ語のRの発音とアメリカ英語のRの発音を比べてみた
【日本人が苦手なR】 ドイツ語のRの発音とアメリカ英語のRの発音を比べてみた アメリカ英語の発音はどうでしょう?
Maxie「アメリカ英語の発音はどうでしょう?」
由美子先生「アメリカ英語のrは基本的に喉の奥の方を唸らせる感じで、よく誤解させるのは巻き舌にする方がいらっしゃいます。その方法でも通じるのでOKですが、ほとんどのアメリカ人は舌を巻くのではなくて、舌をギュッと引いて、舌の根元が上に上がる感じで発音します。顎下の方で出す感じです。」
die Rose (ドイツ語) / rose(英語)
Maxie「ドイツ語はバラバラに発音します。」
由美子先生「スペルは一緒だけど、発音が全然違いますね。これは難しい!ヨーロッパの人って喉の奥の方から響かせるよね。これは日本語との違いかな。吐くと同時に発音しているから、そこは英語と共通しているかも・・・」
Maxie「確かにそうで、男性のドイツ語はかっこいいけど、女性だとフランス語の方が女性らしいかもしれない。」
由美子先生「英語を習う日本人もそうなんですけど、喉の奥の方から声を出すのは苦手なので、思い切らないと出ないんですよ。」
Maxie「ガラガラとうがいをするのは発音の練習になりますよ。」
由美子先生「うがいをする時に喉を鳴らすような感じ。あと、汚いけど、ゲップをする時とかウェって喉から出るんですよ。日本人だと喉を鳴らすような発音はしないので、えっ!?って戸惑う方が多いんですけど、アメリカ英語のrも喉を鳴らします。ドイツ語のrよりも英語のrの方が楽に出せるので、ドイツ語がネイティブの方にとってはアメリカ英語を発音するのは難しくないんですよ。でも、日本人にとっては喉を鳴らす発音がすごいハードルが高い。だから、みんな単調な発音になってしまう。喉の奥から響かせないといけない。」
Yumi先生
アメリカ英語の発音矯正塾、English Boot Camp代表。 英語コンサルタント歴25年以上。YouTubeのチャンネル登録者数は15万人。 著書に「ネコろんで学べる英語発音の本」がある。
https://www.youtube.com/user/yumithecatlover
今回はアメリカ英語の発音がバッチリなYumi先生とお話させてもらいました。 いろんな人に「ドイツ語と英語似てる!」ってよく言われるんですが、折角のチャンスなので英語の先生に発音を聞いてみたいと思います。 Yumi先生はアメリカ英語の発音矯正塾、English Boot Camp代表をされています。
いつから英語をいつから勉強していて、どんな風に英語を話せれるようになったんですか?
Maxie「Yumi先生はいつから英語をいつから勉強していて、どんな風に英語を話せれるようになったんですか?
Yumi先生「英語を勉強したのは、中学で英語の授業があるので、そこからです。その前に小学生の時に2年間だけ子供英会話に通っていたんですけど、週1回行って歌ったり、踊ったり、ゲームしたりをして、その頃から英語が好きで自分で勉強して話せれるようになりたいなっと思いました。中学、高校、大学。大学の時に1年アメリカに留学したんですけど、ずっと独学でやってきて20代の頃から英語を教えるというのを始めています。もう20年です。」
Maxie「私は留学が話せれるようになったことは大きなきっかけでした。やっぱりこの留学・現地に行って、モチベーションが上がりますよね。留学だとコストもかかるし、独学で頑張れば、英語を話すこともできますし・・・こんな素敵なYumi先生が来ていますので、英語とドイツ語の発音を比べて見たいと思います!」
das Radio(ドイツ語) / radio(英語)
アメリカ英語の発音はどうでしょう?
Maxie「アメリカ英語の発音はどうでしょう?」
Yumi先生「アメリカ英語のrは基本的に喉の奥の方を唸らせる感じで、よく誤解させるのは巻き舌にする方がいらっしゃいます。その方法でも通じるのでOKですが、ほとんどのアメリカ人は舌を巻くのではなくて、舌をギュッと引いて、舌の根元が上に上がる感じで発音します。顎下の方で出す感じです。」
die Rose (ドイツ語) / rose(英語)
Maxie「ドイツ語はバラバラに発音します。」
Yumi先生「スペルは一緒だけど、発音が全然違いますね。これは難しい!ヨーロッパの人って喉の奥の方から響かせるよね。これは日本語との違いかな。吐くと同時に発音しているから、そこは英語と共通しているかも・・・」
Maxie「確かにそうで、男性のドイツ語はかっこいいけど、女性だとフランス語の方が女性らしいかもしれない。」
Yumi先生「英語を習う日本人もそうなんですけど、喉の奥の方から声を出すのは苦手なので、思い切らないと出ないんですよ。」
Maxie「ガラガラとうがいをするのは発音の練習になりますよ。」
Yumi先生「うがいをする時に喉を鳴らすような感じ。あと、汚いけど、ゲップをする時とかウェって喉から出るんですよ。日本人だと喉を鳴らすような発音はしないので、えっ!?って戸惑う方が多いんですけど、アメリカ英語のrも喉を鳴らします。ドイツ語のrよりも英語のrの方が楽に出せるので、ドイツ語がネイティブの方にとってはアメリカ英語を発音するのは難しくないんですよ。でも、日本人にとっては喉を鳴らす発音がすごいハードルが高い。だから、みんな単調な発音になってしまう。喉の奥から響かせないといけない。」
reservieren(ドイツ語) / reservation(英語)
Yumi先生「これもドイツ語の発音難しい!rが3カ所にあるから特に!英語のrは2箇所で、rから始まるので、強く発音して、真ん中のrはserと一緒に発音するので、少し弱く発音します。これはドイツ語も同じなのかな?」
Maxie「それは似ているからすぐ覚えられました。」
rechts (ドイツ語) / right(英語)
Maxie「結構喉の奥から発音します。覚えるコツがあって、遊び心で、カーナビの設定を1日ドイツ語に設定してみてください。カーナビのお姉さんが右折の案内をしてくれるので、すぐ覚えることができますよ!日本人の友達と日本国内を旅するんですけど、カーナビをドイツ語に設定して1日過ごすと、ドイツ語が全くできない友達も皆覚えてくれるんです。」
Yumi先生「なるほどね~でもrの次に来るchtsの発音がとっても難しいと思う。英語だと簡単で、初めのrさえ発音できれば、次はサイレントでghを発音しないので、英語の方が楽ですね。ドイツ語の方が大変ね。喉の奥から出すのが多くて。」
Maxie「そうですね。だから、いろんな日本人から発音どうすればいいですか?ってよく聞かれるんですけど、英語の発音もそうなので、悩んでいる方はコメント下さい。大体の練習方法は鏡の前で練習する!」
Yumi先生「そうですね。やっぱり鏡を見ながら、思いっきりが必要で、ヨーロッパの言葉って喉の奥から出さないと出ない子音が多いから。やっぱり口先で発音してもダメで、日本語は口先で発音するから、口先の発音を練習しても意味がない。喉の奥からぐわっと上げていく感じね。とりあえず、息をガンガン出さないといけないから。」
Maxie「あとは気持ち!!」
Yumi先生「ドイツ語のrの方がぐわっと出さないといけない感じで、アメリカ英語のrは少し籠る感じかな。」
Maxie「私は黒人のアメリカ英語がかっこよくて好きです。アクション系のアメリカ映画を見ると聞くだけで楽しい。発音が」
Yumi先生「そうですね。映画を見てかっこいいなと目指して英語の勉強を始める人が確かに多いですね。」
Maxie「実はドイツ語と英語って似ている単語もありますので、意外と共通点が多いかもしれないですね。」
今回はYumi先生とrの発音についてお話をさせていただきました。
rの発音について詳しく説明していきたいと思います。
英語とドイツ語のr
英語とドイツ語のrは、音が作り出される場所は違いますが、音を作る方法は両言語で『接近音』が用いられます。rが作り出される時、ドイツ語でも英語でも舌によって口内が閉鎖されず、常に隙間がある状態で口内の気流が振動させられるのです。
ドイツ語r 簡単発音
ドイツ語の単語では綴り上、r入っていても、rの後ろに母音が続かない場合は、日本語の[ア]のように発音します。
Arbeit [アァバイト]
日本人なら絶対に知ってる単語、アルバイトです。rの後ろに母音はなく、子音のbがいるので[ァ]と発音されます。因みにドイツ語のArbeit [アァバイト]はバイトじゃなくて、仕事ですのでお気を付け下さい。日本語のバイトは、ドイツ語では”Minijob”や”Teilzeitarbeit”になります。
Frankfurt [フランクフアト]
ドイツ屈指の経済都市、フランクフルトですね。”Frankfurt”の中にある一個目のrは、その後に母音のaが続くのでこちらはドイツ語のrで発音されます。一方、二個目のrは、その後が母音ではなく子音のtなので[ア]と発音とされます。
Bier [ビィア]
ビールです。しかし、ドイツでビールを注文したくて「アイン ビール ビッテ!」って頼んでも、基本通じないので「アイン ビィア ビッテ!」と注文しましょう!rが語末に来てるので、当然母音があるわけもなく、したがって[ア]となっています。
rが綴り内にあっても、ドイツ語のrを使わない時の例になります。このルールを守るだけで大分ドイツ語っぽく聞こえますよ♪
ドイツ語r 発音方法
標準ドイツ語のrは舌の奥の部分を口蓋垂(ノドチンコ)に近づけつつブルブル震わせて、発音の際に口から抜けていく息を軽く邪魔してやることで発音できる音です。
実際の音は、喉にタンがつまってむせる時に出す音や誰かに首を絞められて「カハッ」ってなった時の「ハ」の音の感じに近いかもしれませんね。あとは、口に水を含まない状態でうがいした時の音です。
ドイツ語の/r/を発音するときは、後舌と上あごの間には常に隙間ができている状態です。
聞きなれてない人からすると、ドイツ語の発音で「ラリルレロ」と言った場合は、調音部位の近さから日本語の「ガギグゲゴ」のように聞こえるかもしれません。
ドイツ語のrと日本語のgは調音部位こそ近いですが、調音法が異なります。gは、舌の腹の部分を上顎にくっつけ、一度完全にストップさせて、間髪入れずに一気に開放することで生じている音『破裂音』です。
発声の最初から最後まで舌と上あごの間に隙間があるドイツ語のrと違い、gでは隙間がありません。
日本語のgとドイツ語のr
「ガ」は後舌(舌の奥の部分)が上顎に触れます。
ドイツ語のrは「ガ」を言った時よりも、後舌を若干後ろに引き、その位置で今度は上あごに当たらないように「ガ」と発音します。
摩擦音と接近音のrの違い
摩擦音と接近音のrの違いは、発音時に開けておく後舌とノドチンコの隙間の間隔の違いになります。
摩擦音のr
後舌とノドチンコの隙間の間隔が、接近音のrより狭いです。音的には摩擦音のrの方が濁っています。音声付きのドイツ語辞書で聞けるrや、語学学校でネイティブの先生がしっかりrを発音したときは、大体摩擦音のrになります。
接近音のr
後舌とノドチンコの隙間の間隔が、摩擦音のrより広めです。接近音のrはどちらかというとマイルドな響きで、摩擦音のrと比べるとそれほど濁った感じはしません。接近音の方は会話とかでよく聞くタイプで、そこまで喉をガラガラせずに発音できます。
またドイツはアメリカほどではないものの、多民族国家でアクセントやなまりもたくさんあります。特にイタリア系、スペイン系、ロシアやポーランドなどのスラヴ系の人達は、ほぼネイティブレベルのドイツ語を喋っていても、標準ドイツ語の口蓋垂のrではなく、巻き舌のrを使っていることが結構あります。
まとめ
以下を覚えてrの発音を克服していきましょう!
・標準ドイツ語のrが全然できないときは巻き舌のrを使う
・標準ドイツ語のrに大分慣れている人も、言いづらい箇所だけ巻き舌にしてみると結構楽になる
・間違っても日本語のrは使わない→基本伝わらない
・rの後ろが母音ではないなら[ア]と発音する
・ドイツ語のrを使う時は、後舌と口蓋垂(ノドチンコ)を近づけ僅かに隙間を開けた状態で、喉の奥から出て来る気流を振動させながら発音する
・ドイツ語のrが全くできない時、どうしても言いづらい単語や部分がある時は、巻き舌を使う。
勢いと練習がとっても大事です!頑張りましょう♪