■ドイツの政治や社会とは?
今回はキノコ意匠さんがドイツの社会とは一体どのようなものなのか、インタビューする記事となっています。
新型コロナウイルスやメルケル首相など様々な観点からドイツの社会、政治を言及していきます。
○「支持している政党はありますか?」
キノコ意匠「Maxieさん、よろしくお願いします。ではまず一つ目に、支持している政党はありますか?」
Maxie「支持している政党というのは特には無いですね。一つの政党だけでなくてもこの政治家はよく頑張っているな、という人はいます。」
キノコ意匠さんがこの質問をするのには、調べていくのにあたって必ずと言っていいほど「政党ごとの意見」という項目があったからだと言います。
そのため、ドイツ人は一人一人が支持している政党があるのではないかと考えたようです。
○「メルケル首相が長く首相として活躍出来ているのはなぜだと思うか?」
キノコ意匠「ありがとうございます。二つ目の質問に行きます。メルケル首相が長くドイツの首相として活躍出来ていたのはなぜだと思いますか?」
Maxie「スキャンダルなどの問題を一切起こしていなくて、それに加えて方向性が割と安定している所が人気な理由だと思いますね。」
メルケル首相は第8代ドイツ連邦共和国首相で2005年から2021年の間その座に就いていました。
彼女は51歳にして歴代最年少、さらには初めての女性首相として当選当時から注目を浴びていました。
主な政策としては2009年からの「ギリシャ危機」において安易にドイツ国民の税金は投与しないとした毅然とした態度をとったり、2011年に日本で起きた「東日本大震災」での原発事故からメルケル首相はそれまでの主張を反転させ「脱原発」を進めました。
このようなドイツ国民を考えた政策や大胆な政策転換は常に国民から高い支持を受けていました。
さらには2014年の「ウクライナ危機」でもその手腕を発揮します。
メルケル首相自らが調停役となり、ロシアのプーチン大統領と対談をし、この功績は世界的にも評価されました。
そんなメルケル首相ですが、「難民受け入れ問題」によりその勢いを失ってしまいます。
約100万人の難民を受け入れましたが、難民による事件などが背景になりここでメルケル首相の支持率は下がってしまうことになります。
しかし、2020年に新型コロナウイルスが流行すると、いち早く人の移動の制限をし、その必要性を国民に丁寧に説明するなど、再び支持されました。
メルケル首相は長年「ドイツのお母さん」として国民から親しまれていました。
メルケル首相の人物像としては旦那さんと登山に出かけたり、サッカー強豪国であるドイツらしく、彼女もまた熱心なサッカーファンであります。
○「ドイツのリーダーに最も必要な力とは何でしょうか?」
キノコ意匠「なるほど…興味深いですね。では三つ目にドイツのリーダーに一番必要な力は何だと思いますか?」
Maxie「ヨーロッパの中で他の国と仲良くすることと、人の意見をまとめることが出来る人が最もふさわしいと思います。」
ヨーロッパではEUがあり、各国ぞれぞれの宗教や文化がもちろんあります。
ドイツ国内だけではなく、EU加盟国27か国の中でも人の意見を正しく理解して、取りまとめることのできる人物がドイツ国のリーダーとして必要な条件になってくると言えます。
○「寛容な難民受け入れ政策についてはどう思いましたか?」
キノコ意匠「ありがとうございます。では次にメルケル首相は難民の寛容な受け入れ政策をとりましたが、そのことについてはどう思いましたか?」
Maxie「戦争から逃げてくる人達に安全な場所を作ってあげることは大切だと思うし、ドイツでも少子化が進んでいるため、他の国の人が仕事をしてくれることは良い事だと思います。ただ、その一方で難民による暴力事件なども起こっているのでそういった点ではいけない所なのかなと思いますね。」
メルケル首相は難民を寛容に受け入れ、経済と社会を豊かにしてくれる存在であると考えていました。
多くの人々がまじめにドイツ語を学び、ドイツでの職を見つけて生活をしていましたが、その一方で凄惨な事件も起きてしまっています。
一番大きな事件と言われたのは、大晦日にケルンで起きた暴力事件です。
その被害件数は約800件にも及びました。
もちろん、こういった事件を起こす人は一部なのですが、難民を受け入れたことでこのような事件が起きてしまった事は事実です。
この事件が大きな要因となり、メルケル首相の支持率は大きく下がってしまう結果となりました。
○「AfDという政党に対して感じていることはありますか?」
キノコ意匠「その通りだと思いますね。ではメルケル首相の難民政策に反対する意見を掲げたAfDという政党についてはどうお考えですか?」
Maxie「良くは無いと思います。この政党の人達は東ドイツの人が多くて、自分の仕事が見つからないからと言って人のせい、外国人のせいにすると言うのはどうなのかなと思います。今ではドイツにも色々な仕事があるので、仕事のある地域に引っ越すという手段もあると思います。」
AfDとは「ドイツのための選択肢」Alternative für Deutschland という政党で旧東ドイツを中心とした極右政党です。
反難民の意見を唱え、メルケル首相の難民政策に強く反発しました。
議会でも過激な発言が多く、度々問題視されることもあります。
○「ドイツの報道と日本の報道について違いを感じることはありますか?」
キノコ意匠「そうですね、コロナ問題についても様々な発言がありました。では次の質問に移りたいと思います。ドイツの報道と日本の報道について違いを感じることはありますか?」
Maxie「ドイツのニュース番組の方が、女性が男性っぽい印象があります。日本のアナウンサーは可愛らしくて、ドイツの方はもう少し固いイメージですね。もう一つは日本は国内のニュースが多いと思うんですけど、ドイツでは海外のニュースがほとんどです。」
キノコ意匠「それは国民が海外の情勢に興味を持って知りたいと考えているからなのでしょうか?」
Maxie「そうだと思います。国内のニュースはローカル番組や、新聞で知ることが出来ます。もっと大きな番組では海外のニュースが取り上げられていますね。」
ドイツは他の国と陸続きであるため、よりいっそう海外の出来事に関心がある様です。
日本は島国だと理由からどうしても海外とは遠く感じてしまうことも関係しているのではないでしょうか?
■ドイツの政治や社会とは?part.2
今回もキノコ意匠さんのドイツの社会や政治についてのインタビュー記事となっております。
今回はドイツの社会だけではなく、日本についての質問も多くなっています。
○「日本とドイツのそれぞれの報道機関の公平性についてどう感じますか?」
キノコ意匠「日本とドイツの報道に公平性はそれぞれあると思いますか?」
Maxie「うーん、日本の方が柔らかいような気がしました。特に東京の方はパワーがあって、逆に地方の方はあまり強くない感じですね。ドイツの方は日本と違って地方、それぞれの州の方が力があります。」
キノコ意匠「なるほど、国ではなく各州が報道することが重要なんですか?」
Maxie「国が決めなければいけないことももちろんあるし、でも逆に州や地方ごとでしか決められないこともあるので地方の力も強いのだと思います。」
ドイツではそれぞれの州ごとに法律なども存在しており、まるで一つ一つの州が一つの国の様になっています。
そのため全国的なニュースよりも自身の住んでいる州のニュースを見る方が大切となっています。
○「ドイツの人たちにとってヒトラーは英雄か暴君がどちらでしょうか?」
キノコ意匠「ありがとうございます。次の質問は普段私の動画を見てくれている方達からの質問になります。まず一つ目ですね。ドイツの人たちにとってヒトラーは英雄か暴君がどちらでしょうか?」
Maxie「えーと…どちらかと言うとネガティブで恥ずかしいと思っている人が多いですね。というのも学校の歴史の授業で私達はいけない事をしたんだよ、という風に教わるからなんです。」
ドイツでは過去にヒトラーの行ってきたことは今なお強く反省として語り継がれています。
それは当時まだ生まれていなかった子供達にも教えられているようです。
当時の小説を読んだり、校外学習として実際に収容所などの場所にも行ったりするためです。
実際にドイツでは挙手をする際はいつも私達がするように指を全て挙げるのではなく、人差し指だけを挙げることが常識となっています。
○「EU発足以降、ドイツ以外のEUの他の国をどのように感じているか?」
キノコ意匠「とてもいいお話を聞けました。ありがとうございます。ではEUが出来てからドイツはEUの中の他の国をどう感じる様になりましたか?質問の背景としてはEUの中でも経済的に強いドイツは他の国の事をどう思っているのか気になったからなんです。」
Maxie「まずは戦争が終わってドイツがEUに入れたことはすごく感謝する事だと思います。それにEUでは他の国の事をパートナーと考えている所があります。ギリシャが前に経済的に弱っていた時があったと思いますが、簡単に支援をするわけにもいかないので別の戦略を作っていくことは重要だと思います。ただ、EUのおかげでどこでも移動がしやすくなったし、EU内であればどの国でも働けるのでヨーロッパの人にとってはたくさんのメリットがあります。」
EUが発足したのは1993年の事でした。
主な理念は二度の世界大戦を経て世界が平和に続いて行くためにまずはヨーロッパの国々で協力関係にあるべきだという想いから誕生しました。
EUには様々な政策がとられていますが、最も知られているものは「パスポート無しでも国を行き来できる」「同一単価ユーロの採用」の二つではないでしょうか?
○「日本のビールは美味しいですか?」
キノコ意匠「さて、質問も残り三つです。ここからは少しライトな質問になります。日本のビールは美味しいですか?」
Maxie「はい!居酒屋にはよく行きます。日本人はお酒を飲みながらおつまみを食べると思うんですけどその文化は素晴らしいと思います。ドイツではまずビールだけ飲んで、その後にピザを食べる時もあるかな、くらいです。なので食べながら飲むというのはすごく良いと思いました。ただ、職場の付き合いとかで飲みに行くのはちょっと苦手ですね…」
ドイツ人から見ても日本のビールは美味しいようです。
日本ではお酒を飲みながらご飯を食べることが当たり前ですが、ドイツではそんなことは無いようですね…
また、日本ではよくある仕事上の付き合いでお酒を飲みに行く、という文化は日本特有のものなのかもしれません。
○「東京と大阪の違いをどのように感じていますか?」
キノコ意匠「良くご存じですね…笑 たしかにあまり好きではない人と飲むのは良くないかもしれませんね。では次に東京と大阪の違いをどう感じますか?」
Maxie「言葉から、人の話し方まで文化が全然違いますね。毎日驚きです。言い方がきつく感じる時もあればすごく優しくてシンプルだと感じる時もあります。地域で全く文化が違っていて面白いですね。」
日本には地域によって方言というものがあります。
その数は約140種もあると言われています。
中には同じ日本人同士でも全く理解できないものも…
その中でも大阪弁、関西弁は日本人にとっても時にはきつく感じてしまいますよね。
何故日本にはこんなに多くの方言(~弁)が存在しているのか、不思議に思います。
○「東京オリンピックについてどう思いますか?」
キノコ意匠「では最後の質問です。東京オリンピックについてどう思いますか?」
Maxie「皆すごい盛り上がっていると思います。でもあくまでも一つのイベントなのでおわってからも仕事をコツコツ頑張ったほうが良いと思います。」
キノコ意匠「なるほど、今回のオリンピックは今までにあまりない延期という選択を取ったりして本番には他国から選手を迎えると思いますが、それについてはどう考えですか?」
Maxie「私個人的な話としては、通訳をしているので、他国から人が来ることは仕事が増えるので良いですね。でもコロナウイルスに関して言えば危険な状態にするわけにもいかないので今回の延期という選択は良いと思います。」
キノコ意匠「はい、ありがとうございました。今回のインタビューは以上になります。少し堅い内容もあったと思いますがどうでしたか?」
Maxie「もし他の質問などもあれば是非またお答えしたいですね。今回は最後までありがとうございました!」