Maxie:こんにちは!
かなみ:皆さんこんにちは、かなみです。今日は呼んでいただいてありがとうございます!
私はドイツに住んで、15年目になります。ドイツの音楽大学に留学して、現在は音楽学校でフルートの教師をしています。そのほかにYoutubeで、ドイツと日本についての動画を配信しています(@kanas welt)。ほとんどドイツ語ですが、よければ見てください。よろしくお願いします。
https://twitter.com/youtube_kanami
ドイツ語のココが難しい!
Maxie:かなさんは長い間ドイツに住んで、長くドイツ語を勉強しているので、今回は、ドイツ語中級・上級者向けに「今でもこれが難しい!これができなくて悔しい!」ということがあれば教えてほしいです。
かなみ:ドイツに長く住んでいるといっても、私の場合、最初は音楽留学だったため、ずっと音楽に没頭していました。だから15年ずっとドイツ語を勉強していたわけではないです。ドイツ語もまだまだ勉強中ですよ。
だからドイツ語が難しいと思うことは今でもいっぱいあります。一番難しいと感じるのは、「冠詞」ですね。男性名詞・女性名詞・中性名詞……それは上達しないのであきらめてます……(笑)。
Maxie:確かに冠詞にはルールがあるんですが、例外があることもありますよね。「この名詞だったら、これは男性名詞をつけるんだろうな」と思っても、実は例外のケースだったということもあります。なので、もう冠詞は名詞とセットで覚えるしかないですね。
かなみ:あとは、若い世代と話すとスラングではないのだけど、若者だけで通じる言葉を使われてしまって、聞き取れないことがあります。そしてドイツには、ドイツ語と英語をかっこよく組み合わせて話す人が多いと思います。私は英語がすごく苦手なのでこちらも聞き取れないこともあります。
Maxie:若者の言葉がわからないというのは、ドイツ人の中でも普通にあることで、親子でも若者の言葉は理解できないということはあります。あと、若者は早口だったり、英語っぽい単語を混ぜていたりすることもあるので、それはドイツ人同士でもあとでgoogleなどで調べて理解するしかないですね。
ドイツ人は慣用句好き?
かなみ:ドイツの方って、ことわざや慣用句をたくさん知っていますよね。日常の会話のなかでも使われる方が多くて、私と1対1で話しているときは、気を使ってくれてあまり慣用句などは使われないんですけど、複数人のグループで話しているとポンポンと難しい慣用句がが出てきて全然わからない時があります。
1対1なら「それわからないから教えて」って言えるけど、グループだとみんなで盛り上がってるのにSTOPをかけることもできないです。
Maxie:確かに1対1だと問題はないけれど、グループになるとハードルも高くなるから話を聞く側になってしまうこともありますよね。話の内容がわからなくても笑顔で聞き続けていれば、また仲間に入っていけるような話題になることもあるんですけどね(笑)。あとから「あれはああいう意味だったのか」と分かることもありますし。
かなみ:そうですね。でもやっぱりことわざは覚えたいと思います。ドイツのドラマとか映画を見て覚えるしかないのかなと思ってはいるんですが。結局地道に勉強しなさいということですね。
Maxie:ことわざを覚えたいなら、専門の本が売っているので、イラストを見ながら覚えるという方法もありますよ。
【日本語能力試験1級】マキシーは日本語のここが難しい!!
日本語は主語や目的語がなくても通じる
かなみ:私は日本人なので話をしているときも頭の中では日本語で話を組み立てて話しているときがあって、その頭の中の話を口にすると、どうしてもでたらめなドイツ語になることがあります。
日本では、
A:この映画、知ってる?
B:昨日彼女と見たよ。
だけでも話は通じるけれど、ドイツ語はひとつひとつを丁寧に説明しながら言葉を組み立てていかなくてはいけないですよね。
だから、先ほどのBさんの言葉をドイツ語でいうと「僕は、昨日、僕の彼女と、その映画を見たよ」と長い文章になるんですけど、私は日本語をそのままドイツ語に訳して話すから、目的語などがぬけてしまって「何のことを言ってるの?」と周りに言われることもあります。
Maxie:それは確かに日本人に多いミスかも知れない。クラスで宿題を出すと主語を忘れる人が多いです。ドイツ語はその関係性を毎回書かなくてはいけないというのはありますね。
だから、ドイツ語には「ボーイフレンド」という意味の言葉がないから、ただの友達という意味で「彼」というと、「私の恋人」と受け止められてしまいます。そのためただの知り合いの男性である場合は、はっきり文章で伝えないと、誤解を与えてしまうので注意が必要です(笑)。
ドイツでは、相手のために、丁寧に話の関係性をその都度伝えなければいけないので、日本人にはそのあたりは難しいと思います。
かなみ:日本人がドイツ語で話すときは、頭のなかでまず主語・目的語を含め日本語を丁寧に組み立てて、そこからドイツ語に訳すようにしないと難しいだろうなと思います。
漢字だけではなかった!日本語学習の意外な強敵
かなみ:逆にマキシさんは、どうですか?もう15年くらい日本語を勉強されていて、日本語がペラペラじゃないですか。難しいなと思うことや苦手なことはありましたか?
Maxie:私は高校のときに短期留学で日本に来ました。そのときは高校生同士で通じるような日本語を覚えていて「マジ」「ガチ」「ヤバイ」「ウチは」といった言葉を使ってました。だから今になってもそれが抜けずに使ってしまうこともあります。
私の場合、話し言葉から日本語を覚えて、そのあとに文法を学習しはじめました。本来、日本語の文法は、論理的でドイツ語と比べて例外がないので覚えやすいと思います。でも私の場合は話し言葉を先に覚えたので、今でも日本語の正しい構成は難しいなと思うことがあります。
かなみ:たしかに「~は」と「~が」は、日本人でも使い分けが難しいと思います。
「〇〇が」といったときは、強調しているといわれますが、それでも日常の会話では抜くことも多いですよね。「犬寝てる」「私仕事休み」とか無意識で抜いているかもしれないですね。
Maxie:そう、だから私も大学に入学してから、文法は改めて一から勉強しなおしています。
日本語やドイツ語に限らず、書き言葉と話し言葉にギャップがあるのは、どの国の言語でもあることだと思うので、話し言葉だけ、書き言葉だけを学習したらOKということはなくて、バランスよくどちらも勉強しなきゃいけないと思います。
もうひとつ、問題点を挙げると、漢字についてですね。経済新聞などを読んでいると、専門用語がわからないことがあります。ひとつひとつの漢字の意味は分かったとしても、いくつかの漢字が組み合わさって単語になった時に読み方がわからないことがあります。
ドイツ語は意味が分からなくても読めるけど、日本語は意味が分からないことがあるので悔しいことがあります。
かなみ:漢字には音読みと訓読みもあるから覚えるのも大変ですよね。ドイツ語は分からなかった調べられるけど、読みがわからないと調べられないこともあって大変ですね。
Maxie:あとカタカナも難しいです。英語も勉強したので「MacDonald」「BigMac」がわかっててもカタカナでどう書けばいいのかがわからない。
そして、それを日本語っぽく言わないと日本人に怒られます。たとえば「BigMac」っていうと「何を格好つけて英語っぽく言ってるんだ」と怒られるので「ビッグマック」ってカタカナで日本語っぽくいうようにしてます(笑)。
こんな風に英語の単語をどう日本語のカタカナにして発音にするかということと、カタカナのスペルは辞書で調べないとわからないので、ちゃんと調べるようにしています。
かなみ:カタカナは難しいですよね!私もドイツ人に聞かれることがあります。窓は「ガラス」なのに、コップはなぜ「グラス」なのか?とか。私も、コンピューターの専門用語で使われているカタカナは全然わからないです。
Maxie:読者のなかで「ドイツ語のここが難しい!」といったエピソードがあれば、ぜひ聞かせてください。また冒頭でもお伝えしましたが、かなさんはドイツ語で動画を配信しています。日本語の字幕もついているので、ドイツ語に自信がなくても楽しめると思います。
今日はありがとうございました。Tschüss!!