日本から飛び出して、海外で働きたい!でも、どうやって海外に飛び出て働けば良いのでしょうか?
ドイツで実際に会社に就職した経験のあるIkuさんに、お話を伺いました。
■ドイツで働いた感想は?
マキシ「ドイツでの勤務はどんなかんじでしたか?」
Iku「ドイツでの勤務は、すごく楽しかったです。ドイツは日本と違って、仕事が終わったら帰宅できるシステムになっています」
・解説
OECD(経済協力開発機構)によると、先進国の中で最も勤務時間が少ないのは、ドイツでした。2019年ドイツの年間労働時間は1386時間。日本は1644時間です。
ドイツ政府は労働者を守るために、労働時間に関する法律を厳しく制定。1日の労働時間は原則8時間以内。最大10時間まで労働時間を延長はできますが、延長した分だけ、後日労働時間を短縮しなければいけません。
例えば1日目に10時間勤務した場合、2日目には6時間以内の勤務といった形にです。
もし法律を破ってしまうと、下手をすれば刑務所直行コース。
■ドイツの時間管理は厳しい?勤務時間について
マキシ「勤務時間は厳しい?」
Iku「退勤時間はかっちり決められています。決められた退勤時間を過ぎたら、怪しまれてしまいます。」
・解説
ドイツの就労時間は、基本的に早朝~夕方までです。職種にもよりますので一概には言えませんが、長時間勤務はありません。
ちなみに、週末になると午後3時で仕事を終える人もいらっしゃるようです。
羨ましい!
■ドイツで働いて大変だったことは?
マキシ「ドイツで仕事してみて最初大変だったことはありますか?」
Iku「仕事の指示がなかったことです。自分から動かないと、仕事はありません。自発的に行動しなければいけません。自分からやろうとする姿勢がないと、難しいです」
・解説
「自分の仕事は最後まで責任をもってやり遂げる」が、ドイツの働き方。
OECDによると、日本の労働生産性は1時間あたり47.9ドル。一方ドイツは74.7ドルでした。日本のおよそ1.5倍です。勤務時間は日本よりも少ないのにも関わらず、生産性はドイツの方が遥かに高い!
生産性が高いのは、社員の自発的な働きによるものかもしれません。
■ドイツの会社ではどんな言葉で話すの?どんな国籍の人がいますか?
マキシ「(Ikuが勤務していた会社の)社員はドイツの人が多かったでしたか?」
Iku「少なかったです。ドイツ国籍社員は2割。残り8割はドイツ以外の国籍社員でした。ちなみに上司は全員ドイツ人でした」
マキシ「Ikuさんが勤務していたドイツの会社は、外国人採用に慣れている会社。だから働きやすかったのですね」
・解説
ドイツも日本と同じく少子高齢化社会。2030年には人手不足が今よりも深刻する事態に…。そんな中で「ドイツ人しか雇わない!」となると、会社として経営は成り立ちません。
だから今が大チャンス。
仕事に必要な技術力と就労ビザがあれば問題なし!勤務期間が90日以下で、日本国籍のパスポートを所有しているのなら、就労ビザも取る必要がありません。詳細についてはドイツ共和国大使館までお問い合わせを。
MEMO:ドイツ連邦共和国大使館のホームページです。(日本語版)
■ドイツの会社で働く際にドイツ語は必須?
マキシ「社内の会話はドイツ語でしたか?」
Iku「社内は全部英語です!」
マキシ「ドイツの会社で働いていた当時のドイツ語のレベルは?」
Iku「会社に内定が出た時点では、A1ぐらいですかね?」
マキシ「英語はどのぐらいのレベルでしたか?」
Iku「小さいときからバイリンガル教育を受けていたので、英語は全く問題ないです」
・解説
ドイツ連邦共和国大使館によると、ドイツで90日以上働く際にはビザが必要になります。
■ドイツの会社での面接はどんな感じですか?
マキシ「面接官にどんな質問をされましたか?」
Iku「面接官はドイツ人でした。ドイツ語はあまりできなかったので、意地でも英語で働きたいですとアピールしました」
ドイツの面接は、基本的に日本と同じ。ただ少しフランクな部分があるようです。
まずは服装。日本であれば、かっちりとしたスーツで面接に臨むのが一般的。しかしドイツの場合、会社によってはTシャツで面接を受けることができるようです。
ただあくまでも「会社次第」。「ドイツにはTシャツで面接が受けられる会社があるのか」と、話半分に捉えて頂ければ幸い。
面接官についても会社によりますが、会社の超偉い人(CEOクラス)と直属の上司が担当するようです。Ikuさんの場合も、面接官は直属の上司でした。
肝心の面接内容ですが、日本と比べるとフランクな感じです。「会社までどうやって来たの?」「ドイツって初めて?」など。
日本よりもガッチリしているのは、面接時間かもしれません。日本の会社の場合、面接時間はおよそ30分前後。場合によっては30分以内に終わることもあります。しかしドイツの場合は、1時間の面接。
濃密過ぎます。
■ドイツで働きたいのならドイツ語は必須!
マキシ「ドイツで働きたいと思ったら、ドイツ語を勉強した方が良いですね。」
Iku「もちろんそうですね。それは本当にそうだと思います」
どこの業種で働くとしても、同僚とのコミュニケーションは必須。メールや電話のやりとりも、避けて通れません。
日本で働く場合、日本語習得は必須。もちろんドイツも同じです。英語で融通してくれるとはいえ、ドイツ語は欠かせません。
ただし、ドイツ語が出来るとは言えドイツで働けるとは限らないのです。ドイツ語はあくまでも、必要最低限のスキル!
■ドイツの会社で働いて良かったことは?
マキシさん「あと何かドイツで働いてみて、すごく良かったことありますか?」
Iku「いろんな国の人と一緒に働けたことです。EU・ラテン・アジアなど、会社には世界各国からいろんな人が集まっていました。インターナショナルな環境は、自分にとって大きなプラスになりました。」
■ドイツで働きたい人へ送るメッセージ
マキシ「もしこれからドイツで働きたいって人がいたら、最後にアドバイスください」
Ikuさん「自分を売り込む力を磨いて下さい。『できない仕事』でも『できます』という姿勢を見せるのが重要です。最初から諦めずに、立ち向かう姿勢を見せて下さい!」
※解説兼まとめ
ドイツには「Wer nicht wagt, der nicht gewinnt.」という、ことわざがあります。直訳すれば「賭けをしない者は何も手に入らない」。日本語で「虎穴に入らずんば虎子を得ず」。
「できない仕事」は虎の穴。虎の穴に近づかなければ危険はありませんが、同時に虎の子を得るのはできないのです。
ドイツで働く場合も同じです。簡単ではありませんが、やろうとしないと、いつまで経ってもドイツで働けません。まずは行動あるのみ!