コロナ禍の渡航。ドイツから日本へ出入国する方法
2020年1月、初めて日本で新型コロナウイルスの感染者が出ました。公共の場でのマスク着用、商業施設等でのアルコール設置が日常的になり、生活の雰囲気が大きく変わりました。特定の地域に自由に出入りできない「ロックダウン」が発令された国もありました。日本では、新型コロナウイルス感染症に関する水際対策の強化に係る措置が講じられ、一時期に比べ人流の規制は緩和されていきました。
2021年11月に日本からドイツに出国し、2022年1月に帰国しました。コロナ禍にあっても様々な事情で海外に渡航する必要がある方は少なくはないでしょう。そこで、今回は私体験談を下にドイツから日本へ向かうまでにどのような段取りが必要だったかを紹介します。ドイツから日本へ帰国される方はぜひ参考にしてみてください。
〇ドイツから出国するために
ドイツには様々な空港がありますが、私はフランクフルト空港を利用しました。出国するにあたっては、空港の検査で72時間以内に行ったPCR検査の証明書を提出する必要があります。
当初は、地元でPCR検査を行って空港に証明書を持参するつもりでしたが、地元の医師からは、日本政府が求める書式で検査証を発行する場合、外部に委託するため、私の手元に届くのが2時間から72時間かかると伝えられました。
届くまでの時間に大きな差があることを知って、少し不安に感じたため地元でPCR検査を受けることを諦め、ICE stationからフランクフルト空港のTerminal 1への中間地点にあるコロナテストセンターでPCR検査を受けることにしました。
同センターでPCR検査を受けた場合、最速で3時間以内には結果表が届くだけでなく日本に行くために必要な書類にもサインしてくれるとのことでした。また、予約もCorona Test Portalにメールアドレスを用いて登録すれば比較的簡単に行うことができます。私は3時間コースを予約しました。朝9時に約15秒程度のPCR検査を行い、昼の12時に検査結果のメールを受け取りました。日本に渡航するためには、検査結果を紙で持参する必要があったため、コロナテストセンターに取りに行くという一連の流れを1日で済ますことが出来ました。
なお、PCR検査を受けるために、フランクフルト空港付近のホテル(Hilton Garden Inn Frankfurt Airport)に一泊しました。フランクフルト空港駅にあるスクワイアビルホテルでフィットネスセンターや館内レストランもあるところなので気になっている人は訪れてみるのも良いと思います。
今回はこのような流れでしたが、PCRの結果が出る時間によって料金も変化します。私が受けた3時間コースの料金は159€(日本円で約2万円)でした。しかし、これが24時間だと89€です。
また、同じPCR検査であってもサンプルの採取方法が「鼻咽頭ぬぐい液」と「唾液」のどちらも用いる方法と「鼻咽頭ぬぐい液」のみという様に様々な種類があります。どの方法でどのくらいの時間で結果が出るかによって料金や正確性が違ってきます。ドイツの検査機関では採取検体は「鼻咽頭ぬぐい液」と「唾液」のどちらでも可能です。また、「抗原適正検査」という「PCR検査」とは全く異なる検査があり、「抗原適性検査」は有効ではないので「PCR検査」を予約する際は注意してください。
〇フランクフルトから大阪に向かう道中で
日本航空で2021年12月9日に29路線729便の減便が発表されたように世界各国の航空会社がコロナの影響で飛行機の本数を減らしました。
PCR検査の手続きを終えた私は、いよいよ大阪に向かうことになりましたが、フランクフルト空港も例外ではなく、減便が行われている中で大阪への直通便はごくわずかでした。そのため、シンガポールのチャンギ国際空港を経由して、関西国際空港に向かう便に搭乗しました。
私が乗ったチャンギ国際空港へ向かう便は機内での待機時間が長いものでした。しかし、その分、私の乗った飛行機ではサービスの質や乗り心地がよかったため満足していました。飛行機が出発する前も余裕を持った準備をしてもらうことはもちろん到着してからの待ち時間はフライト状況を含めた様々な事象に左右され、各航空会社で正式に発表されていないこともあるため、飛行機を使う際にはこれらの時間も踏まえてスケジュールを組んでみてください。また、日本航空では機内で楽しめる映画やビデオ、オーディオやゲームなどがあったり、無料のWi-Fiがされていたりする便もありますが、こういった予期せぬ待ち時間が出た時の過ごし方を予め考えておくのもいいかもしれません。
チャンギ国際空港から関西国際空港に向かう便の乗客はフランクフルト空港からチャンギ国際空港へ向かう便の半分ほどしかいませんでした。コロナの影響もそうですが目的地や航空会社によって搭乗数なども減便されており、フランクフルトから大阪まで32時間かかりました。このようなことも加味しながら旅行や出張などをしてみてください。
〇大阪に到着してから
フランクフルトでもPCR検査の結果を提出しましたが、日本に到着した後も再度PCR検査を行ったあと検査証明書を含めた書類を提出する必要があります。私はフランクフルトでPCR検査を受けた際に一部の書類をコロナテストセンターに作成してもらいましたが、書類の不備により最悪、入国できないケースなどもあります。また、必要な渡航書類が出発地点によって異なっていたり、一部の地域で入国制限対象となっている地域があったりします。詳しくは日本の外務省や厚生労働省などのWebページに記載されているので日本へ出国する際には確認してみてください。
また、日本に到着してからは、PCR検査の結果を待ちながら、ホテルで6日間の隔離生活を行いました。自宅待機やホテルでの待機など隔離の機関や方法は様々ですが、厚生労働省の入国者健康確認センターでは、入帰国した後の隔離機関では他者と接触せずに「入国者健康居所確認アプリ(My SOS)」で毎日位置情報と健康状態の報告を行ったり、感染防止対策としてマスクや手指消毒、「密閉」や「密集」や「密接」のような一般的に「3密」と呼ばれる状態を避けるような呼びかけをしています。
このような流れを経て私はドイツから大阪へ戻って来ることができました。やはり海外旅行と聞くと水際対策における様々な書類提出など、やらなければいけないことが多く憂鬱になってしまう方もいるかもしれません。しかし、そのような手続きを終えた後には充実した体験ができるかもしれません。私は、隔離生活の際のホテルでの食事やお風呂などの設備やアメニティ、また、関西国際空港にある任天堂のマリオのブース、スタンプラリーを行った際の日本人スタッフの対応に満足しました。現在ドイツにいて日本に出入国する予定がある方は参考にしてみてください。