日本人が間違えやすいドイツ語のrを上手に発音しよう!
日本人が間違えやすいドイツ語のrを上手に発音しよう!
ドイツ語の発音の中でrは本当に難しいと言われています。今回はそのrの発音の勉強をしていきましょう!よかったら声に出して試してくださいね。上達が早くなりますよ♪
まず、喉仏の奥から声を出すようにします
実際に喉仏を触りながら発音してみて下さい。ヴヴヴっと振動すると上手に発音できている証拠です。
ドイツ語r発音練習のオススメ単語
Rot [赤]
der Arm [腕]
der Rat [アドバイス]
der Narr [バカ] ←本当は覚えては欲しくない単語ですが、発音練習の為に覚えて欲しい単語です。
der Motor [モーター]
die Ratte [ねずみ]
der Alarm [警報] ←これはそれほど音がしない静かなタイプです
der Pirat [海賊] ←これはハッキリと音がします
die torte [ケーキ] ←これはそれほど音がしない静かなタイプです
die Eltern [両親] ←これはそれほど音がしない静かなタイプです
lernen [勉強] ←これはそれほど音がしない静かなタイプです
r発音は難しいですが、練習すればするほど上手になって楽しくなってきます!
是非みんなで上手になっていきましょう!!
ドイツ語のr発音
ドイツ語の r の最も一般的な発音は,口蓋垂(こうがいすい)の摩擦音です。
口蓋垂の摩擦音は,口の奥の摩擦音で「ハーッ」という音のように聞こえます。そのため Rose[バラ]は,日本人の耳には「ホーゼ」のように、rot[赤い]は「ホート」のように聞こえるかもしれません。
Rose [ローゼ] バラ
richtig [リヒティヒ] 正しい
Japanerin [ヤパーネリン] 日本人(女性)
練習方法として,最初は 口蓋垂の摩擦音rと調音点の近いgに続けて発音してみるといいですよ。
Gras [グラース] 草
groß [グロース] 大きい
Gruppe [グルッペ] グループ
Programm [プログラム] プログラム
語頭の r はそれに比べて難しくなります。ここでも近い音に続けて練習するといいですよ。次は,口の奥の摩擦音に続ける例です。
doch rot [ドホ ロート] やっぱり赤
auch rund [アオホ ルント] また丸い
Raum [ラオム] 部屋
Reis [ライス] 米
Ruhig [ルーイヒ] 静かな
語末や音節末の –er, –r は、ふつう母音化され [ɐ] という音になります。[ə] よりもやや口を開いた曖昧母音で、軽く「ア」と発音しましょう。
ich studiere [シュトゥディーレ] 専攻している
aber [アーバー] しかし
Japaner [ヤパーナー] 日本人(男性)
辞書でのr発音
辞書などでは,r の音は簡略化して [r] で示します。厳密には,[r] はイタリア語などの「巻き舌の r」(ふるえ音)です。日本語のラ行の音は舌先で歯茎の辺りを弾く [ɾ](はじき音),英語の r は舌先がどこにも触れない [ɹ](接近音)があり、r の発音にはいくつかのバリエーションがあります。
[ʁ]
上述の通り,標準ドイツ語でもっとも一般的な発音で、口蓋垂と舌の奥による摩擦音です。フランス語の r の音と同じになります。
[ʀ]
口蓋垂を(1回から数回)震わせる「ふるえ音」で、上記の [ʁ] の強めの発音と考えましょう。前後の環境(特に母音に挟まれる場合)や地域によって用いられるほか,r を明瞭に発音したいときなどに用いられます。
[ʕ]
口蓋垂よりさらに奥の方の摩擦音で舌の根元を咽頭壁に接近させて発声します。ドイツの南西部,東部中央ドイツ,チロル地方,スイスの一部(北部・東部)で用いられています。
[ɾ]/[r]
[ɾ] は舌先で歯茎の辺りを1回はじく「はじき音」で、[r] は複数回はじく(舌先を歯茎の辺りで震わせる)「ふるえ音」です。[ɾ] は日本語の r の音で、[r] はイタリア語やロシア語などのいわゆる「巻き舌の r」になります。参考書などでは,この「巻き舌の r」がよく紹介されるが,頻度としては1回だけはじく [ɾ] の方が多いです。これはスイスの発音として知られており,ほかにバイエルン地方,オーストリアの一部でも用いられています。年配の世代に限ると,北部ドイツ,西部中央ドイツでも用いられます。有名ですが、オペラなどの歌唱では巻き舌の [r] のみが用いられていますよ。
[ɹ]
英語の r の音と同じで、舌先を歯茎の辺りに接近させて(接触はさせずに)発音します。上記の [ɾ]/[r] が用いられている地域で,バリエーションの一つとして、 [ʃ] のあとで用いられます。なお、英語からの外来語や英語圏の人名・地名の場合には、ドイツでもこの [ɹ] が用いられています。
ドイツ語のRは口蓋垂を震わせます。楽な格好で座って、やや下を向きながら(カフェで向かいの人の腕時計を見るくらいの角度)、喉に潤いを与えながら練習するのがオススメですよ。
その時に「ング」という音をRの前に付けてあげて、Grrrrr…と発生してみると発音しやすいと思います。喉を触ってみて震えていたら正解です!
r発音の歴史
日本ではヘボン式のローマ字表記で「ラ」行に「R」が使われています。その一方で、英語やドイツの「R」の発音が苦手な日本人も多いですよね。「R」の発音は様々で、その人の背景や地域の歴史などを知る手がかりにもなるかもしれません。
「R」の発音の仕方は様々で、うなったり、舌を丸めたり、舌を巻いたり等あります。どのような「R」の音を出すかによって人は、自分がどこの出身なのかを物語っています。
少なくとも1種類の「R」音を含む言語は、世界全体で75%に上ります。「R発音」を英語の言語学用語で「rhotic」と言い、ほとんどの言語に「R」の音が含まれるものの、同じような発音は非常に少ないです。口の一番奥で発音するのも「R」なら、唇で発音るすのも「R」。舌を細かく振動させるいわゆる巻き舌、空気の通過をしっかりふさぐ舌、空気を少しだけ通す舌、あるいはまったく何もしない舌など、舌の関わり方も様々です。たとえばフランス語の場合、「いわゆる」フランス語のRと私たちが思う音は、喉の奥を震わせるうがい音のような「R」で、言語学者はこれを「口蓋垂音」と呼びます。
一方でドイツ語の口蓋垂音の「R」は、母音に続く場合はまったく消えるので、フランス語とは少し違います。
特徴的なフランス語の「R」発音は17世紀に人気を得ました。
すべての「R」音に共通するのは何なのか、言語学者は論争を重ねてきて、米シンシナティ大学による最近の超音波映像実験によると、人が「R」音を出すとき、舌の上や先の動きは多種多様でも、舌の付け根は必ず喉の筋肉を緊張させているのだと言います。
ほとんどの場合、「R」を発音するには他の音よりも時間がかかり、そしてほとんどの場合、幼児はなかなか「R」が言えるようになりません。舌先を振動させる巻き舌は、特に難しいです。その為、もっと簡単な音で代替させようとします。もっと簡単に発音するために言葉の音を変えるというのは、変化の大きい要因で、相手に理解してもらうため面倒な発音が、もっと簡単に発音できるならそれに越したことはないですよね。ただし、欧州各地で「R」の発音がバラバラなのは、言いやすさ・聞きやすさが理由ではありません。欧州では、流行とアイデンティティーが、「R」の違いの2大要因となります。
大昔の欧州では、ラテン語話者は「R」を舌先で発音していました。フランス語話者も長いこと、その「R」音を使っていました。しかし17世紀後半のパリで、喉の奥でうがいするような音を出す「R」がおしゃれ族の間で流行しました。舌先を振動させるのが面倒だったのかもしれないし、単にかっこいいとおもったのかもしれません。ほかには「R」を「L」や「Z」に置き換えたり、「R」をまったく発音しないという人も増えました。そのため、有名な医師のニコラ・アンドリィ・ド・ボワ=ルガールは、喉の奥を振るわせる口蓋垂音を使うように提唱しました。この口蓋垂音の「R」は次第にフランス中に広まり、舌先を振動させる「R」はやがて「下品」、もしくは「田舎っぽい」と見なされるようになっていきました。
そしてこの音は、町から町へと広がり、ドイツ、オランダ、そしてデンマークまで伝わりました……と言われるものの、ことはそれほど単純ではありません。喉の奥の「R」はこのころすでにドイツの一部地域で出現していたという記録もあります。口蓋垂音の「R」がドイツや近隣諸国に広がったのは確かに、行商人の移動に伴ってのことでした。1700年までにベルリンに定着し、18世紀後半までにはコペンハーゲンに広がり、そこからデンマーク一帯に伝わり、さらに19世紀後半までにはスウェーデン南部に到達し、そこで止まりました。また、ドイツと古くから交易していたノルウェー・ベルゲン周辺にも伝わりました。
同じ音はオランダにも伝わりましたが、オランダは各地で色々な「R」が混在しています。舌先で発音する人も喉の奥で発音する人もいるほか、アメリカ人のように口の中央で発音する人もいます。言語の変化の最先端を行くのは通常、若い女性だが、オランダの若い女性がどういう「R」を好むかは、都市によって異なります。
一方で、お隣のベルギーのフラマン語(オランダ語の一種)は、口蓋垂音の「R」を使いません。ベルギーでは、口蓋垂音の「R」を使うフランス語も公用語なので、それも関係するのかもしれません。つまり、ベルギーでは「R」の発音の違いが、その人がどの言語集団に属するかを表します。
ポルトガルとスペイン語には2種類の「R」があります。
口蓋垂音の「R」は西へも移動しました。(一部の例外を除いて)スペインは抵抗しましたが、ポルトガルでは大流行しました。ポルトガル語にはスペイン語と同様、二種類の「R」がある。重い「R」はたとえば「carro(荷車)」、軽い「R」は「caro(親愛な)」で使われます。19世紀後半には、大都市の実力者たちがフランス語の「R」に似た重い音で発音するようになりました。フランスの直接的な影響によるかどうかは、分かっていませんが、数十年のうちにこの重い「R」がほぼ主流となりました。
ポルトガル語における「R」の多様性は、ブラジルで一層すごいことになります。場所と話者によって、オランダ語の「ch」や「h」にも聞こえ、文脈によってはまったく無音になります。よって、ブラジルでの重い「R」によって「carro」は私たちには「カホー」に聞こえ、「Rio」は「ヒオ」に聞こえます。
ブラジルでは「R」の発音は地域によって異なります。
その一方、軽い方の「R」の音は大なり小なり変わりませんでしたが、ポルトガルの都市部では最近、母音の後にアメリカ式に発音する人が登場し始めます。サンパウロに近い農村部ではもう何年も前からその発音だったが、「田舎なまり」と呼ばれ、おしゃれではないので広まりませんでした。
他方でイギリス人は、独自路線を突き進んでいきます。おそらく1000年前には、国内には複数の「R」発音が存在したと思います。専門家の議論はまだ尽きていませんが、シェイクスピアの時代(16世紀後半から17世紀初頭)になるとすでにイングランドの一部で、省エネのために母音に続く「R」を発音しない人が増えていたことは、文献で分かっています。しかし、母音に続く「R」は無声という発音が社会の有力者の間でも定着したのは18世紀後半のことで、そのころに一気に広まりました。アメリカの独立戦争を経て本国に帰国した入植者たちが、イギリス国内の発音の変化に驚いたほどです。
イングランドではシェイクスピアの時代に一部の人が「R」を発音しなくなりました。
ロンドンで、Rを落とす発音が主流になります。ただし、ランカシャーやノーサンブリアは除外され、影響はスコットランドの手前で止まります。スコットランドはアイルランドと同様、自分たちの発音がイングランドと違うことを誇りにしているからです。
アイルランドでは「R」を落としません。「Ireland(アイルランド)」という言葉の発音がその典型です。イギリスでの発音は「アイランド」に近いですが、アイルランド人は「R」を発音します。そしてスコットランド人は「R」を落とさないどころか、振動させます。
このほか、ジョーディー(イングランド北部のニューカッスルやダラムなどの人を指す)発音もあります。18世紀になるころには、喉の奥を振るわせる「R」はノーサンブリア地方の人間の誇りでした。20世紀半ばまでこれは続きましたが、大衆文化や教育や流行のおかげで、わずか一世代のうちにほとんど消滅します。
アメリカ人も「R」発音の流行と無縁ではありません。ボストンやニューヨークを初めとする港湾都市の富裕層や高学歴層は、「R」を発音しないイギリスの流行をたちまち取り入れました。南部の農場主も同様で、そこから周囲に波及します。一方で、同じ南部でも大農園から離れた山間部に住む貧困層は、流行に無縁でした。「R」を全て発音し続けた結果、どうなったかというと、ブラジルと同じです。「田舎者」と呼ばれる発音になりました。
このようにr発音には歴史があります。どこでどういう「R」の音が好まれるかは、今後も常に変わり続けるかもしれませんね。